金プラチナ短期相場観
リスク資産の混乱一服で金は1,200ドル割れ
更新日:2013年6月28日(金)
NYダウが3日続伸、欧州株も3日続伸、中国株も落ち着きの兆しを見せ始め、8週間続いた「魔の木曜日」を脱した日経平均も2日連続での大幅高へと推移中。懸念された米国の長期金利上昇も2.6%台から2.5%割れへ、一時騒がれた日本の10年債利回りの乱高下も最近では0.85%付近ですっかり落ち着きを取り戻した様子。
本格的なグレートローテーションの流れ再開とドル高傾向再開となる中で、金価格の下落が一際目立つ状況に。
NY市場、金相場は4日続落。一時2010年8月前半以来となる1,200ドルの大台割れ。ダドリーNY連銀総裁のハト派発言にも株価のような反応は見られず、既に規定路線の緩和縮小、ドル高見通しによる売りが止まらず。売られ過ぎの過熱感と1,200ドルの節目割れ、月末要因などから一度は落ち着きを見せるかどうか。
現在の水準は2010年5月から8月まで揉み合いが続いた1,200ドル前後の水準。1,200ドルちょうどの大台ラインは、決して強力なサポートラインではないものの、この近辺の価格帯を含めれば、それなりのサポート帯となっており、かつ最近の採算ラインとなるレベル。1,100ドル台での推移がしばらく続いたとしても、いずれまた、戻ってくる可能性も高い水準ではないか。
プラチナは金の下落に追随せず、1.65%の反発。しかし時間外ではやはり下落傾向に転じており、下げ止まり感はまだ。1,350ドル台のレジスタンスを背に、当面の下落メド1,280ドル台付近を目指す展開中の戻り。あっさりと下落メドを突破するようなら、さらなる大幅下落の可能性も。逆に金への追随路線から離れ、レジスタンスを超えることが出来れば、従来のレンジ下限1,400ドル台前半への回帰の可能性が高まることに。
ドル円は6月10日以来の98円台に。地道な円安傾向が続くも、その足取りは重く、ようやく上値抵抗98円80銭トライへ。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場6/27終値とチャート
国内、金価格は4日続落。2011年4月1日以来、約2年3ヶ月ぶりとなる4,000円の大台割れ。当面の最大下落メド3,850円台近辺に向けて下落がとまらない状況。上方向への節目は4,280円。
週間ベースでは-186円、-4.47%で4週続落。月間では-808円、-16.88%の大幅下落で3ヶ月続落。月間の下落率は2011年9月の-10.99%、同年12月の-10.61%を大幅に超え、リーマンショック直後、2008年10月の-23.67%に次ぐ下落幅。
プラチナは小幅反発。依然下押し圧力が高く、当面の下値目標4,170円台近辺へと近づく流れ継続か。上方向の節目は4,410円。
週間では-37円、-0.85%の4週続落。月間では-682円、-13.60%の反落。なお2008年以降のプラチナ月間下落率も、2008年9月の-31.1%、2008年10月の-30.3%に次ぐレベル。
※参考:金プラチナ国内価格6/28とチャート
- 2013年6月28日(金)時点の相場
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国内金 : 3,978 円 6/28(金) ▼59(1.46%) 国内プラチナ : 4,334 円 6/28(金) ▲32(0.74%) NY金 : 1,211.6 ドル 6/27(木) ▼18.2(1.48%) NYプラチナ : 1,325.2 ドル 6/27(木) ▲21.5(1.65%) ドル円 : 98.34 円 6/27(木) ▲0.65(0.66%)
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