金プラチナ短期相場観
金とプラチナの急反落警戒感
更新日:2019年9月9日(月)
歴史的高値を更新してきた国内金価格、歴史的安値圏からの脱出をかけて急騰してきた国内プラチナ価格。いずれも9月5日に急騰局面のピークをつけ、その後は週を跨いでの大幅続落。急反落継続への警戒感も高まる状況にもなってきました。
国内金価格は昨年8月安値を起点に上昇トレンドが続いています。この間、下値と上値が平行線で挟まれる上昇チャネルを形成してきましたが、今年夏にこの上限ラインを突き抜けて急騰局面を形成。水準的には近年最高値圏となってきた5000円から5200円のレンジを突き抜けてさらに400円超の上昇。そして、上値も下値も急速に切り上げながら、そのレンジを縮小する斜行三角形の保ち合いにもなっています。上昇トレンド最終局面で出現しやすい斜行三角保ち合いの下限付近まで急反落してきた現状、もう一段水準を切り下げることになれば、保ち合い下放れとなって調整局面拡大への警戒感も高まることになります。
FOMCで0.25%の利下げも年末に向けては利下げ打ち止めの可能性も示唆、あるいは予想外に9月利下げ見送りなど、タカ派的な姿勢が見られるようだとその度合はさらに大きくなる可能性もありそうです。
昨年8月安値から今年9月高値までの23.6%戻しでも5380円。38.2%戻しなら5204円。昨年8月以降の上昇チャネルのレンジ内回帰となる5400円程度までの下落は、十分想定の範囲内と言えるかもしれません。
9日の国内金価格は-41円、0.73%の続落。8月23日(5470)以来、2週間ぶり安値水準。8月末の小幅保ち合いレンジ5570円から5600円を下抜けたことにより、調整余地拡大へ。短期的な下値目安としては8月半ばの保ち合い上限付近、5500円の大台ライン付近まで。時間外のNY金は先週末から変わらず1510ドル台半ばでの揉み合い、為替も106円90銭台を中心に小幅保ち合い状態と静かな週明け。
国内プラチナ価格は歴史的安値圏を形成してきた3000円から3400円までのレンジを8月末に抜け出して急騰。下から2番めの水準となる3400円から3800円までのレンジへと、主要レンジをシフトしてきた可能性も示す状態にあります。
しかし、今回の高値では3600円手前で折り返す形となっており、2015年末高値を起点に上値を切り下げる抵抗線にぶつかって反落した格好にもなっています。この2015年末以降の上値抵抗線を下方向に並行移動すると、きれいな下降チャネルを形成している可能性も気になるところです。
FRBのハト派姿勢継続で金価格の調整局面が限定的にとどまるようなら、金との連動性が再び強まりつつあるプラチナの下落幅もそれほど拡大ぜず、3400-3800円のレンジ維持と4年間の下降チャネルからの上抜けトライへの期待も高まります。しかし、そうでない場合、3400円を維持できなくなれば、3000-3400円の過去最低レンジへと押し戻され、さらに将来的には3000円の下値サポートを割れた場合には下降チャネルに沿って2800円割れも?といった警戒感も高まることにもなってしまいます。
9日のプラチナ価格は-42円、1.2%の続落。2日合計で128円、3.6%の急落となり、5日の急騰分(+110円、3.17%)を帳消し。ただし4日も3%弱の急騰となっていたことで、直近安値となる3日の3381円まではまだ距離を残す状態。目先はこの3380円付近から1年半ぶり高値となった3580円台までの200円のレンジ内で落ち着きどころを探る展開にも。NYプラチナも950ドル半ばで小康状態の週明け。
※参考:金プラチナ国内価格9/9とチャート
- 2019年9月9日(月)時点の相場
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国内金 : 5,551 円 9/9(月) ▼41(0.73%) 国内プラチナ : 3,456 円 9/9(月) ▼42(1.20%) NY金 : 1,515.5 ドル 9/6(金) ▼10.0(0.66%) NYプラチナ : 958.5 ドル 9/6(金) ▼5.2(0.54%) ドル円 : 106.92 円 9/6(金) ▼0.01(0.01%)
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