金プラチナ短期相場観

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ドイツ9月ZEW景況感、期待は底打ちの可能性も現況は下げ止まらず

更新日:2019年9月18日(水)

ZEWドイツ景況感指数 2019年9月9月のドイツZEW景況感指数は期待指数が-22.5となって市場予想の-38.0を大幅に上回り、7年8カ月ぶり低水準となった8月の-44.1からも急反発。ひとえにECBのフルパッケージの金融緩和政策決定に伴う期待感の高まりによる結果と言えそうです。また、トランプ大統領の「善意のしるし」とした対中関税引き上げの2週間延期なども好感された可能性、さらには英国の合意なきEU離脱の可能性が若干ながらも低下したことなども好影響となったかもしれません。

ただし、この期待指数の長期平均は21.5となり、-44ポイントの大幅下方乖離の状態は続きます。
さらに、現況指数は-19.9となって4カ月続落、3カ月連続のマイナス圏となって2010年5月(-21.6)以来、9年4カ月ぶりの低水準。リーマンショック後の世界金融危機からの回復期以来の悪化レベルとなっています。

これまでも、期待指数が先行して底打ちした後、まもなく現況指数も反発へ、というパターンが繰り返されてきたことから、今回も次月以降、期待指数の反発基調が持続するかどうかが重要なポイントということにもなりそうです。

そして、これまでも米中協議は合意間近?と期待感が高まっては決裂を繰り返し、英国のEU離脱は何度も延期され、何も決まらない状態が続いています。ドイツ経済が本格的に回復へと向かうのか、リセッション入りか、予断を許さない状態も続きます。

NY金・日足チャート 2019/8/13 - 9/1717日のNY金相場は+1.9ドル、0.13%の小幅続伸。中東の地政学リスクを受けて月曜日に15%弱急騰した原油価格が5%の大幅反落となった流れに同調する形でNY金も週明けにつけた高値1520ドル付近からの軟調推移が継続、東京時間午後には1500ドルの大台割れ寸前まで下落もこの水準では意外と底堅さも。欧州時間にはドイツの9月ZEW景況感指数が予想を大幅に上回ったこともありユーロ高ドル安の流れが強まると、これに連れる形で反発、NY午後にかけて一時1515ドルまで上昇。しかしFOMC前で方向感は定まらず、引けにかけては再び1510ドル割れ。今回のFOMCでのFF金利据え置き予想は45%台まで拡大しており、ほぼ五分五分状態。利下げなら現状水準維持から1530ドル程度までの上値余地も。据え置きならややサプライズ的な反応も想定され、1500ドルを割れて一段安の展開へ、1470ドル前後までが目先の下値目安。

NYプラチナ・日足チャート 2019/8/13 - 9/17NYプラチナは+5ドル、0.53%高で3日ぶりの反発。930ドル台後半での小幅揉み合い推移から、一時930ドル前半へと下げてNY午後にかけては940ドル台を回復。FOMCを前に小動きにとどまりながら、930ドル前後での底堅さもあらためて確認。ただし、FOMC後に金に追随する動きとなれば、今回は下方向への警戒感も。930ドルを割り込めば900ドルの大台前後までが下値目安に。逆に950ドル台を超えて上方向へと動き出せば980ドル台の高値再トライへも。

ドル円・日足チャート 2019/8/14 - 9/17ドル円はこの日もほぼ横ばい推移となって4日連続108円10銭前後での横ばい推移。中東リスクへの警戒感も続くなか、FOMC前日になって利下げ予想と据え置き予想が五分五分の状態となってきた状況を象徴するような値動きに。変動値幅は今年の平均の半分程度となる33銭程に縮小しながらも、下値は108円台を維持して上値は1カ月半ぶりの高値水準で短期上値目標108円30銭台にも到達。なお、この日発表された米8月鉱工業生産は前月比+0.6%と伸び率は1年ぶり高水準となり、9月のNAHB住宅市場指数も3カ月続伸で11カ月ぶり高水準となるなど好調を示す指標もサポート材料に。目先、一服感もありながら、FOMCの結果次第では一段高へと向かう可能性も。今回の据え置き、もしくは0.25%利下げでも今後の見通しがタカ派的となれば流れは上方向となりやすく、4月高値から8月安値の61.8%戻しであり8月高値、109円30銭台が次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/17終値とチャート

18日の国内金価格は+21円、0.38%の反発。5600円台回復は近年最高値5665円をつけた5日以来、ほぼ2週間ぶり。5520円から5670円までの広めの高値保ち合いレンジ半ばでの小動き、という状態が継続。FOMC後にはNY金はやや軟調、為替はドル高円安優勢も予想され、国内金価格は広めのレンジ内で若干軟調気味か。予想以上の下振れで5520円を割り込んだ場合には8月安値から9月高値の61.8%戻しとなる5430円近辺が次の下値目安に。予想外の展開で高値更新となれば5740円辺りまでが次の上値目標に。

プラチナ価格は+16円、0.46%の反発。段階的に下値を切り上げて保ち合いレンジを縮小、三角保ち合い形状となってのFOMCの待ちへ。3450円台を割り込んで下放れとなれば一段安の展開で3360円台辺りまでが下値目安。予想外に3510円超へと上方ブレイクとなれば1年半ぶり高値となった3584円に向けて高値更新再トライへも。
※参考:金プラチナ国内価格9/18とチャート

2019年9月18日(水)時点の相場
国内金5,601 円 9/18(水) ▲21(0.38%)
国内プラチナ3,475 円 9/18(水) ▲16(0.46%)
NY金1,513.4 ドル 9/17(火) ▲1.9(0.13%)
NYプラチナ944.2 ドル 9/17(火) ▲5.0(0.53%)
ドル円108.13 円 9/17(火) ▲0.03(0.03%)

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