金プラチナ短期相場観

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楽観と悲観が交錯する米労働市場、NY連銀1月消費者調査

更新日:2021年2月12日(金)

1年以内に失業の可能性、離職を考える人の割合 2021年1月失業保険申請件数は市場予想を上回りながらも5週間ぶり低水準へと改善。しかし11月末の71.6万件を上回る水準での推移が続き、下げ渋りの状態。パウエルFRB議長の慎重姿勢を裏付ける状況となっています。
NY連銀の消費者調査からも、同様の状況がうかがえます。

1年以内に失業する可能性があると考える人の割合は1月に13.61%となり、2019年9月(13.36)以来1年4ヵ月ぶり低水準へと低下。
失職した場合に3ヵ月で新たな職を見つけられると考える人の割合は49.47%。6年10ヵ月ぶり低水準となった12月から、4ヵ月ぶり高水準へと急反発(急騰幅は3年10ヵ月ぶりの高水準)となっています。

楽観見通しが強まる一方で、
自発的離職を考える人の割合は16.01%へと低下。11月の16.61%を下回って過去最低。
1年後の米失業率が現在よりも上昇すると考える人の割合は40.19%。昨年4月(47.57)以来、9ヵ月ぶりの高水準。
転職には慎重姿勢、米労働市場の回復は意外と進まず、悲観的な見方をする人がコロナ後最大に。

自身の失業に関しては比較的楽観視する傾向が強まっているのに対し、全米での失業率の改善には時間を要するだろう、との見方が強まりつつあるようです。だから転職もまだその時期ではない、との考えに。
米労働市場は楽観と悲観が交錯するなかで、時間をかけてゆっくりと回復基調が進行しています。

NY金・日足チャート 2021/1/7 - 2/1111日のNY金相場は-15.9ドル、0.86%安となって5日ぶりの反落。上方向への節目1860ドル台手前で2日連続上ヒゲを残した失速感が示唆したとおり、200日移動平均線(1856.5)や20日移動平均線(1841.5)なども抵抗線となっての反落。時間外の1830ドル台からNY朝には1850ドル手前まで反発して戻り売りの展開に、NY市場では米10年債利回りが1.14%付近から1.16%台へ、今年高値付近へと再浮上し、ドル高優勢の流れにもなったことから1830ドル割れへと20ドル程の急落。1月前半安値圏1820ドル台ではいったん下げ渋る状態に。主要レンジ上限を切り下げる形となって1840ドル台が当面の抵抗水準、これを上抜けできれば2月高値圏1870ドル近辺までが上値目標に。下方向には1820ドルでサポートされなければ1790ドルが次のサポートに。

NYプラチナ・日足チャート 2021/1/7 - 2/11NYプラチナはわずかに+0.1ドル、0.01%の小幅高で5日続伸。5日続伸は12月末以来、1ヵ月半ぶり。時間外には1230ドル半ばまで下げて再び買われる地合の強さ、ロンドン序盤につけた高値は1281.4ドル、2015年1月23日(1286.4)以来、6年と半月ぶりの高値。ロンドン・NY市場にかけては揉み合いながらも1240ドル付近まで、ほぼ40ドルの反落となって上ヒゲ十字線を形成。さすがにいったんはピークアウトを示唆する形に。調整目安としては12月安値(926.4)からこの日の高値までの23.6%戻し(1197.6)近辺。少し行き過ぎれば38.2%戻し(1145.8)から1140ドル近辺も。この水準は足下の急騰前の高値保ち合い上限でもあり、強めのサポートとなる可能性も。
金との価格差は579.8ドル、昨年2月5日(575.7)以来1年ぶりの水準まで急縮小。

ドル円・日足チャート 2021/1/8 - 2/11ドル円は16銭のドル高円安、0.15%の小幅高で5日ぶりの反発。3日続落後の90日移動平均線(104.29)と20日移動平均線(104.39)に下値を支えられての十字線が示唆したとおりに反発。国内祝日と中国も春節休暇(2/11~17)がスタートし、東京市場は閑散となって104円50銭台での小動き。米10年債利回りが上昇基調となった欧州時間には104円70銭台へと買われ、NY時間にかけては104円60銭から80銭までのレンジで揉み合いに。この日の変動値幅は26銭ほど、今年の平均48銭の半分強で今年2番めの小動き。104円60銭が目先のサポートとなり、これを下回るようだと104円ちょうど付近まで水準を切り下げる展開にも。上方向には105円が心理的節目となり、直近高値105円半ばが当面の抵抗水準、超えると106円までの上昇も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/11終値とチャート

12日の国内金価格は-28円、0.41%の続落。もつれ合う9日移動平均線(6757)と21日移動平均線(6744)に価格ラインも巻き込まれる形となり、これらが抵抗水準となって上抜けにも失敗。短期トレンド好転トライにもいったんは失敗した格好となり、方向感は下向き優勢に。目先の主要レンジ6660円台から6770円までの下限を維持できなくなれば一段安の展開へ、11月安値(6512)からの二番底となりうる6530円近辺までが下値目安に。想定外に切り返す展開となって上方ブレイクとなれば形成逆転で上値トライ再開、6900円台回復が目標に。
週間ベースでは+55円、0.83%高で3週ぶりの反発。

プラチナ価格は+194円、4.53%高となって6日続伸。6日続伸以上は1月8日以来1ヵ月ぶりで今年2度め。上げ幅ではコロナショックの大底からの反発局面となった3月25日(+287円、11.13%)以来、11ヵ月ぶりの急騰。水準としては2015年7月7日(4525)以来、5年7ヵ月ぶりの高値。長期的な節目となる2013年高値(5445)から2020年安値(2422)までの61.8%戻し(4290)を超えてさらに加速、N計算値から中期的な上値目標となり得た4329円も全くかすりもせずに突き抜けての一段高。過熱感も急速に高まって反落必至の様相にも。調整目安としては11月安値(3096)からここまでの23.6%戻し(4153)、9日移動平均線(4142)辺りまで。少し行き過ぎとなれば38.2%戻し(3951)も。
金との価格差は2241円、昨年2月6日(2203)以来1年ぶりの水準での急縮小。
週間ベースでは+445円、11.03%の大幅続伸。上昇率ではコロナ後の急回復局面3月23日からの週(+432円、17.7%)以来。上げ幅では少なくともリーマン・ショック以降では最大。
※参考:金プラチナ国内価格2/12とチャート

2021年2月12日(金)時点の相場
国内金6,721 円 2/12(金) ▼28(0.41%)
国内プラチナ4,480 円 2/12(金) ▲194(4.53%)
NY金1,826.8 ドル 2/11(木) ▼15.9(0.86%)
NYプラチナ1,247.0 ドル 2/11(木) ▲0.1(0.01%)
ドル円104.76 円 2/11(木) ▲0.16(0.15%)

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