金プラチナ短期相場観

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ミシガン大も、インフレ期待は軒並み6年ぶりの高水準

更新日:2021年2月13日(土)

NY連銀・ミシガン大インフレ期待 2021年1-2月市場予想を大幅に下回り、半年ぶり低水準となる76.2と低調な結果となったミシガン大消費者信頼感指数の2月速報値。昨年2月までの100ポイント前後からは大きく下方乖離した水準での推移が続きます。
その一方でミシガン大発表の1年インフレ期待値は2月速報値で3.3%。1月の3.0%から一段と上昇し、続伸で2014年7月(3.3)以来、6年7ヵ月ぶりの高水準となりました。
NY連銀が今週発表した1月消費者調査の1年期待インフレの中央値は3.05%。これも2014年7月(3.11)以来、6年半ぶりの高水準。なお、3年期待インフレの中央値は3.03%でこれも2014年11月(3.03)以来、6年2ヵ月ぶりの高水準。

さらに、米国の向こう10年間の平均年間インフレ率の見通しを示す10年物米物価連動債(TIPS)のブレークイーブン・インフレ率(BEI)は今週、2.22%まで上昇しています。これも2014年8月13日(2.23)以来、6年半ぶり高水準となっています。
今週発表された米国の消費者物価指数(CPI)は低水準での推移が続いていますが、インフレ期待値の上昇は止まりません。ワクチン接種拡大とともにコロナ後に向けた景気回復期待の高まりが、インフレ期待を押し上げ続けます。

インフレ期待の上昇ペースが名目金利(米10年債利回り)の上昇ペースを上回れば、差し引きで算出される実質金利は低下しやすくなります。
実質金利と逆相関の関係となりやすい金価格は、現状ではその関係性がやや弱まってはいるものの、いずれまた強まることも予想され、金価格のサポート材料の一つとなりそうです。
また、そもそもインフレ防衛資産とも言われる金、物価上昇に伴いその価値も高まりやすくなります。
しかし、米国のインフレが安定して前年比+2%以上をキープし始めそうになれば、途端に金融政策正常化が意識され始め、金利のつかない金には強烈な売り圧力となります。
インフレ期待はともかく、実際のインフレは程々の上昇が、金にとっても良さそうです。

NY金・日足チャート 2021/1/8 - 2/1212日のNY金相場は-3.6ドル、0.2%の続落で2月5日(1813.0)以来、1週間ぶりの安値。米株主要3指数が揃って最高値更新、VIX指数は1年ぶりの20割れとリスクオンの流れが強まり、米10年債利回りはほぼ1年ぶり高水準となる1.2%台へと上昇。ドル高の流れも強まり、ロンドン時間にかけては軟調推移となって1820ドル割れ、NY朝には1810ドルまで下落。しかし、米2月ミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回る低調な結果となったことを受けてドル高の巻き戻しが急速に進むと1830ドルまで急反発。ただし上値の重い状態は変わらず、ジリジリと値を下げてNY午後には一時1820ドル割れ。前日安値と1月前半安値圏1820ドルには引っかかってなんとか下げ渋る可能性も示す状態、1790ドルから1840ドル台までの主要レンジ中程での推移も継続、これを上抜けない限りは軟調な流れが続きやすい状態に。
週間ベースでは+10.2ドル、0.56%高で3週ぶりの反発。

NYプラチナ・日足チャート 2021/1/8 - 2/12NYプラチナは+12.0ドル、0.96%高となって6日続伸。6日続伸は12月末以来、1ヵ月半ぶり。水準としては2015年1月27日(1264.3)以来、6年と半月ぶりの高値。高値圏での上ヒゲ十字線を形成して調整の可能性も示唆した前日の流れを受けて軟調推移となったのは時間外スタート後まもなく、1220ドルまで下げたところまで。この水準から1240ドルまでのレンジで保ち合う形となって下げ渋る状態が続くと、NY朝には金の反発局面に追随する形で1260ドルまで上昇。引け後にも1260ドル台を維持し、前日高値(1281.4)を頂点に10日高値(1264.7)と合わせて短期三尊天井を形成中。ここから反落へと向かった場合、ネックラインは1220ドル。これを割れると調整局面入りとなって最大60ドル程度の下落となれば1160ドルが下値目安にも。
金との価格差は564.2ドル、昨年1月24日(561.3)以来1年と半月ぶりの水準。
週間では+126.0ドル、11.12%の大幅続伸。上昇率では11月30日からの週(+108.0ドル、11.19%)以来2ヵ月半ぶりの急騰。

ドル円・日足チャート 2021/1/11 - 2/12ドル円は16銭のドル高円安、0.15%の小幅続伸。春節のアジア時間は静かに経過、欧州時間にはユーロドルの下落とともにドル高の流れが強まって104円80銭付近から105円20銭手前まで、40銭弱の急騰。しかしこの水準ではドル売り圧力も強く、105円をはさんでの揉み合いに。NY時間にはミシガン大消費者信頼感指数の下振れとともにドル売り優勢となってユーロドルは元の水準へと急反発もドル円では104円90銭台では下げ渋る状態に。米国市場の3連休前でもありNY午後にかけては値動き縮小、104円90銭台で膠着状態に。104円半ばから105円半ばまでの主要レンジ内で105円前半では既に上値が重くなりつつある状態にも。
週間では-50銭、0.47%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/12終値とチャート

2021年2月13日(土)時点の相場
国内金6,721 円 2/12(金) ▼28(0.41%)
国内プラチナ4,480 円 2/12(金) ▲194(4.53%)
NY金1,823.2 ドル 2/12(金) ▼3.6(0.20%)
NYプラチナ1,259.0 ドル 2/12(金) ▲12.0(0.96%)
ドル円104.92 円 2/12(金) ▲0.16(0.15%)

2/12(金)のその他主要マーケット指標

株高に追随、プラチナ高もとまらず5年7ヵ月ぶり4600円台 2/15(月)

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