金プラチナ短期相場観
足掛け5週、国内金価格は中期三角保合い上抜けの攻防突破へ
更新日:2021年11月8日(月)
7日から北米が冬時間に移行し、米東部時間と日本との時差が13時間から14時間へと拡大する週がスタート。
夏時間最終日に発表された米10月雇用統計は、予想以上に回復基調が進行していることを確認する結果となったものの、これに伴う早期利上げへの思惑からのドル高進行は一時的にとどまり、米長期金利は急低下。雇用情勢回復=景気回復で金利上昇とはならず、インフレ高止まりなどによる警戒感も燻る状態を示唆するような展開にもなってNY金が急騰。
週明け時間外は若干行き過ぎた流れの巻き戻しからのスタートにも。1.4%台前半へと急落していた米10年債利回りは1.4%台後半へと反発の兆しとなり、1820ドルまで急騰したNY金は1810ドル台半ばへと小幅調整。
それでも週末のNY金急騰を反映し、国内金価格は昨年8月の過去最高値を起点とする中期三角保合い上限ラインを大きく上抜け。
10月15日には7163円まで上昇し、中期抵抗線付近に到達した国内金価格はその翌週には7100円割れへと反落。しかし次の週には7188円まで急反発、11月に入ると再び7100円付近まで軟調推移となって上限ライン突破には結局失敗か?とも思われた翌週、11月第2週には7200円超へと再浮上。足掛け5週に渡る中期三角保合い上抜けをかけた攻防をようやく抜け出し、重要な抵抗水準を突破した格好にも。
日足一目均衡表の転換線(7168)も再び大きく上抜けて三役好転の強気相場状態となり、過去最高値(7676)から今年安値(6413)までの61.8%戻し(7194)も上抜け。
複数の中期的な節目を上抜けたことから、今後意識される水準としては今年高値(7335)、76.4%戻し(7378)など。
ただし、利上げフェーズへと向かう現状を想定すると、それ以上の上値目標を想定することは難しい状況にもあります。
8日の国内金価格は+78円、1.09%の大幅続伸で6月11日(7268)以来、5ヵ月ぶりの高値。高値保ち合いから下放れの兆しを週末に下げ渋り、雇用統計をはさんでの一段高で逆に保ち合い上放れへと切り返す形に。緩やかに上昇し始めた90日移動平均線(6964)の上に21日線(7107)と9日線(7171)が上昇軌道で下から順にサポートする強気のパーフェクトオーダーを再構成。7170円の節目も大きく上抜けたことで短期的には一段高への可能性も高まり、7270円程度までが上値目標に。堅調方向への流れを維持するためには9日線が重要なサポートにも。
プラチナ価格は+9円、0.22%の小幅高で3営業日ぶりの反発。NYプラチナが週末水準1030ドル台半ばでの小動きとなり、反発基調も伸び悩む展開となった状態をそのまま反映。下げ止まらない90日移動平均線(3987)の上で右肩上がりの21日移動平均線(4087)にはサポートされながらも、低下基調が続く9日線(4116)を超えられず。広めの保ち合いレンジを維持しながらもやや軟調な流れが継続。21日線を割れると4030円の下限が意識され、9日線を突破できれば徐々に地合い回復へ。
日足一目均衡表では、転換線(4123)を下回って三役好転崩れ。遅行線も雲の上限(4123)を下回り、9月につけた今年安値(3536)から下値を切り上げ続けてきたサポートラインを割り込んで失速気味の展開に。5月高値(4750)から9月安値までの半値戻し(4143)を挟んでの保ち合い維持をかけた攻防も継続中。
※参考:金プラチナ国内価格11/8とチャート
- 2021年11月8日(月)時点の相場
-
国内金 : 7,227 円 11/8(月) ▲78(1.09%) 国内プラチナ : 4,095 円 11/8(月) ▲9(0.22%) NY金 : 1,816.8 ドル 11/5(金) ▲23.3(1.30%) NYプラチナ : 1,035.8 ドル 11/5(金) ▲6.5(0.63%) ドル円 : 113.40 円 11/5(金) ▼0.35(0.31%)
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