金プラチナ短期相場観

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米長短金利差逆転常態化、追加利上げでリセッションへ

更新日:2022年10月20日(木)

米長短金利差とFF金利 2022年10月19日米国の長短金利差逆転は常態化しつつあり、これに伴うリセッション懸念も指摘されて久しい状況。
米10年債利回りは先週末に4%台に到達、19日には4.13%台へと一段と上昇。2008年6月以来、14年4ヵ月ぶりの高水準に達しています。
他方、2年債の利回りは9月後半には4%超え、19日には4.56%台へと一段高。こちらは2007年8月以来、15年2ヵ月ぶりの高水準。
今回、10年債と2年債の利回りが逆転したのは7月初旬で2019年以来、3年ぶり。9月に入るとその差は急拡大、9月後半にその差は-0.5%台まで拡大。この差は2000年6月以来、22年3ヵ月ぶりの大幅マイナス。これ以降も-0.4%台から-0.5%前後での推移が続き、19日時点では-0.43%。
少なくとも2000年以降、長短金利差が逆転すると、まもなくリセッションに陥ったのは3回中3回で100%。今回は4回めの長短金利差逆転状態。

リセッションに陥る前の、もう一つのサインがFF金利と10年債利回りとの関係。
FF金利が10年債利回りを上回る状態がしばらく続くと、これも2000年以降では100%リセッション入り。
今回は、FF金利(上限)は現時点で3.25%。11月には4.00%への利上げが予想されるものの、米10年債利回りが現状維持なら逆転はまだ。12月FOMCでは、現時点で優勢となっている0.75%利上げでFF金利上限が4.75%となれば逆転濃厚。0.50%利上げとなってFF金利が4.50%となった場合には、10年債利回りの動向次第で逆転も。
年明けにもう一段の利上げも予想される状況から、遅くとも年明けにはFF金利と10年債利回りの逆転も濃厚となり、来年以降のリセッション入りの可能性は一段と高まることにも。
折しも今週、ブルームバーグの予測モデルによれば2023年10月までのリセッション入り確率は100%との報道も。

NY金・日足チャート 2022/9/15 - 10/1919日のNY金相場は-21.6ドル、1.3%の続落で9月26日(1633.4)以来、3週間ぶりの安値。前日の上ヒゲ十字線が示唆したとおりの軟調推移。時間外スタート直後の小反発では1660ドル付近まで、上方向への節目1660ドル台手前で失速するとロンドン市場では下方向への節目1640ドル台との攻防へ。これを割れるとNY市場では1640ドル割れ、米10年債利回りが14年ぶり高水準となる4.13%台へと上昇し、ドル高の流れにも押されてNY引け後には1630ドル付近へと一段安。短期的には1640ドル台の節目割れに伴う下値目安1630ドル前後に到達し、二番底をつける形に。多少の行き過ぎでも9月安値1622.2ドル近辺までにとどまれば、いったん底打ちの可能性も。そうならない場合、中期的には一段安へと向かう可能性も高まり、1600ドルの大台割れを試しに行く可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2022/9/15 - 10/19NYプラチナは-26.2ドル、2.89%の続落で12日(881.0)以来、1週間ぶりの安値。前日の上ヒゲ陰線の流れはこの日も続き、NY金の軟調推移にも同調。時間外序盤の910ドル台から急落の展開となり、900ドルの大台を割れるとロンドン市場では20日移動平均線(890.0)との攻防へ。これを割れるとNY午後には880ドル近辺へと一段安、下値サポートでいったんは下げ止まりの可能性も残しながら、その後は下抜けトライの兆しも。目先、880ドルを維持し切れなくなれば短期的には860ドル程度までの一段安も。ただし中期的には7月以降の保ち合い半ばの重要水準を下抜け始める形にもなり、さらに大きく水準を切り下げるような展開への警戒感も。

ドル円・日足チャート 2022/9/15 - 10/19ドル円は67銭のドル高円安、0.45%高となって11日続伸。11日以上の続伸は4月以来、半年ぶりで今年2回め。1990年8月13日(150.35)以来、32年2ヵ月ぶり高値を更新。東京朝の149円10銭近辺が安値となり、午後から堅調推移。米10年債利回りが4.0%台を維持して4.1%台へと上昇した流れにも追髄し、ドル高の流れに。東京市場終了後、欧州序盤にかけては前日高値149円40銭近辺での攻防となり、これを突破するとNY朝には149円70銭台、NY終盤にかけてもジリ高推移となって149円90銭近辺へ。今朝の東京市場でも150円の大台到達を躊躇するような展開に。「押し目待ちに押し目なし、介入待ちに介入なし」の様相となり、このまま大台到達となれは、さらに一段高へと走り出す可能性も。今後の注目水準としては1990年8高値150円90銭台、7月高値151円80銭台、6月高値155円30銭台などの小さめの節目を経て、1990年4月高値160円30銭台が意識され始める可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/19終値とチャート

20日の国内金価格は-85円、0.98%安で3日ぶりの反落。12日(8512)以来、1週間ぶりの安値。8610円台の節目上抜けに伴う短期上値目標8680円台辺りを目指す流れは巻き戻され、6月高値(8859)起点の中期三角保合い上限ライン上抜けも2度めの失敗。短期的にも中期的にも上昇トレンドの勢いに欠ける状態がこの急反落を暗示していたような格好にも。8570円の節目を割り込んだことから、目先は一段安への可能性が優勢となり、短期的にはほぼ水平状態の90日移動平均線(8480)付近までが下値目安に。

プラチナ価格は-114円、2.43%の続落。短期上値目標4710円台到達後、9月以降の下値サポートラインと8月以降の上限ラインとで構成する斜行三角保合いが示唆していたトレンド終焉の動きがそのまま現実となりつつあるような動きにも。昨年2月高値(4798)起点の中期三角保ち合い上限ライン上抜けも一時的にとどまり、保ち合い圏内に再び押し戻された格好。このまま4500円台前半へと水準を切り下げるようなら斜行三角保合い下放れ。短期的には4490円が当面の下値サポート、これを割り込むようだと4400円近辺までの一段安も。
※参考:金プラチナ国内価格10/20とチャート

2022年10月20日(木)時点の相場
国内金8,558 円 10/20(木) ▼85(0.98%)
国内プラチナ4,586 円 10/20(木) ▼114(2.43%)
NY金1,634.2 ドル 10/19(水) ▼21.6(1.30%)
NYプラチナ881.1 ドル 10/19(水) ▼26.2(2.89%)
ドル円149.90 円 10/19(水) ▲0.67(0.45%)

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