金プラチナ短期相場観

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KOMTRAXデータで見る2023年序盤の景気減速懸念

更新日:2023年2月21日(火)

KONTRAX月次データ・前年比3ヵ月平均 2023年1月KOMATSU社製建設機械の1台当たりの月間平均稼働時間データ、KOMTRAXデータの推移を見ると、世界の主要地域における2023年序盤の景気は低調、急減速も意識されるような状況にもなっているようです。
季節要因も大きく影響する為、前年同月比の3ヵ月平均の推移で見ると、2023年1月時点では日本、北米、欧州、中国いずれも近年最低レベルに落ち込んでいます。

日本は前年比3ヵ月平均で-8.0%となって12月の-6.8%から一段と低下、11月の-7.9%をわずかに下回って少なくとも2016年以降では最低。2021年4月以降は1年10ヵ月連続のマイナス圏推移。2022年春以降に急低下し、11月以降は3ヵ月連続で節目50割れとなっている製造業PMIの推移とも急速に連動性が高まってきています。
欧州は-7.5%。2年半ぶり低水準となった12月の-8.4%からは小幅に上昇も、10ヵ月連続のマイナス圏推移。2022年3月までのプラス圏での堅調推移は、ウクライナ戦争で急降下。ユーロ圏製造業PMIも2022年春以降の急低下で7月以降は7ヵ月連続節目50割れ。それでも1月には48.8へと回復の兆し。両者の24ヵ月相関係数は0.85台での連動状態。
中国は-21.1%。12月の-10.9%からは急低下となり、2022年1月の-21.7%以来、1年ぶりの低水準。コロナショックの2020年2-3月(-25.2%、-30.5%)以来の最低水準。1年9ヵ月連続のマイナス圏推移が続くなか、2022年9月には-4.2%まで回復しながらもその後は急失速。製造業PMIでは6ヵ月連続節目50割れ。今年は春節休暇が1月21-27日と例年よりも前倒しとなり、1月単月の前年比が-37.1%と極端に落ち込んだことが影響。

北米は-5.5%。3ヵ月連続の急低下で2ヵ月連続マイナス圏、2年2ヵ月ぶりの低水準。コロナ後の急回復でプラス圏での堅調推移が続いた状態から、2022年秋以降に急減速。米ISM製造業景況指数が50台後半以上の高水準を維持しての好調が続いた2022年前半までから年後半に急低下、11月の50割れから1月には47.4へ、コロナショック以来となる2年8ヵ月ぶり低水準と落ち込む状況に連動。
雇用統計でのポジティブ・サプライズ等、米国では雇用情勢や消費などで予想外の好調を示すハードデータも目につく2023年序盤、景況感などのソフトデータ以外でも景気減速傾向を示唆するデータ、ということにもなりそうです。
KOMTRAXデータは、世界的な景気減速傾向を示唆しているようです。

20日は米国がプレジデンツデーの祝日でNY市場は休場。週明け時間外のNY金は1840ドル台半ばから1850ドル台半ばまで上昇後、1850ドル付近に収束。NYプラチナは910ドル台半ばの安値から940ドル台まで上昇後、930ドル割れへと反落。
ドル円・日足チャート 2023/1/17 - 2/20ドル円は先週末から+13銭、0.1%の小幅続伸で12月28日(134.46)以来、ほぼ2ヵ月ぶりのドル高円安水準。東京朝には134円10銭台から50銭台まで上昇、この日の高値をつけて失速すると午後には134円台維持をかけた攻防状態に。欧州時間序盤には一時134円30銭台まで上昇して反落、ただし下値も133円90銭台までと限定的に。休場のNY時間には134円20銭近辺まで戻して小康状態に。21日東京朝には休場明けの米10年債利回りが3.8%台半ばへと上昇スタートした流れに連れて134円30銭台へと堅調推移。日足レベルでは短期上値目標134円半ばに到達後に上ヒゲを残しての一服感も、高止まり状態。米指標結果などをきっかけに多少の行き過ぎも想定される反面、1月安値(127.21)から2月高値(135.12)の23.6%戻し(133.25)近辺を短期目安に調整も入りやすい状況にも。

21日の国内金価格は+25円、0.29%高で3日続伸。2月7日(8698)以来、2週間ぶりの高値水準。垂れてきた21日移動平均線(8712)を目前に上値の重さも残るものの、8660円の節目上抜けに伴う反発局面形成トライが進行。NY金の下げ渋りにサポートされながらも、円安一服感から上値追いの勢いも限定的。それでも8700円の大台と21日線を突破できれば短期上値目標8750円近辺までの到達確率アップへ。

プラチナ価格は+54円、1.26%の続伸で2月14日(4399)以来、1週間ぶりの高値。4330円の節目割れに伴う短期下値目安4280円近辺到達後の一服をはさみ、RSI逆行にも呼応する形での自律反発。9日移動平均線(4343)をわずかに上抜けて弱気のパーフェクトオーダーからも脱却し、下げ止まりと反発局面形成への可能性も示唆。NYプラチナの反発局面がもう一段続けば4400円の節目トライも意識される可能性、これを突破できれば4460円程度までが短期上値目標となり、21日移動平均線(4489)が次の攻防ラインにも。逆に4280円の下値サポートを割り込むようだと4200円近辺を短期下値目安に下落局面再開へ。
※参考:金プラチナ国内価格2/21とチャート

2023年2月21日(火)時点の相場
国内金8,692 円 2/21(火) ▲25(0.29%)
国内プラチナ4,344 円 2/21(火) ▲54(1.26%)
NY金1,850.2 ドル 2/17(金) ▼1.6(0.09%)
NYプラチナ921.4 ドル 2/17(金) ▼9.6(1.03%)
ドル円134.28 円 2/20(月) ▲0.13(0.10%)

2/17(金)のその他主要マーケット指標

米2月総合PMIは8ヵ月ぶりに節目50超、長期金利も急騰 2/22(水)

KOMTRAXデータで見る2023年序盤の景気減速懸念 2/21(火)

調整一服の国内金、高値再トライか下落基調再開か節目の週 2/20(月)

市場予想も年内利上げあと3回、最終到達点5.25-5.50%へ 2/18(土)

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