金プラチナ短期相場観

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コアPCEは4月も予想以上でインフレ高止まり、ドルも高止まり

更新日:2023年5月27日(土)

PCE・コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2023年4月前日発表された1-3月期の四半期コアPCE改定値が予想を上回ったのに続き、この日は4月のコアPCEも予想を上回り、インフレ高止まりがより強調された格好に。
4月CPIやPPIが市場予想を下回り、鈍化傾向を示したのとは対照的となり、米長期金利急騰とドル高急進でNY金は急落の反応。
クリーブランド連銀のメスター総裁も「インフレ率が依然として高過ぎる」との見解を示し、CMEフェドウォッチでは6月FMCでの追加利上げ確率は64%へと上昇。

4月のPCEは前年比+4.36%。市場予想の+4.3%を上回り、1年10ヵ月ぶり低水準となった3月の+4.19%からは0.17%上昇し、2ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+4.70%。市場予想の+4.6%を上回り、3月の+4.63%からは0.07%の小幅上昇で3ヵ月ぶりの高水準。5ヵ月連続の4.60-4.70%で下げ渋る状態。
セクタ別では、モノの価格が前年比+2.1%。2年1ヵ月ぶり低水準となった3月(+1.6)からは0.5%の反発。サービス価格は前年比+5.5%。3ヵ月ぶり低水準となった前月から変わらず横ばい推移。

ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+4.80%。12ヵ月連続で4%台での推移となり、3月からは0.11%上昇して3ヵ月続伸。1982年10月(5.06)以来、40年半ぶりの高水準。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCEは前年比+5.78%。40年7ヵ月ぶり高水準となった3月から0.1%の低下で2ヵ月ぶり低水準。11ヵ月連続5%台、9ヵ月連続5.7%超。

市場のテーマは、「年内利下げの有無」から「6月利上げの有無」に切り替わりつつあるようです。

NY金・日足チャート 2023/4/24 - 5/2626日のNY金は+0.6ドル、0.03%の小幅高で5日ぶりの反発。アジア時間に前日安値を下回って1936ドルまで下落、3月17日(1922.3)以来2ヵ月ぶり安値をつけて切り返すと、ロンドン市場では1950ドル台後半まで反発。しかしNY朝には米4月PCEが予想を上回り、インフレ高止まりが意識されて米10年債利回り急騰とドル高急進、急反落を余儀なくされたNY金は1940ドル割れ。ただしアジア時間につけた安値を下回らず、1930ドル台後半で下げ渋るとNY午後には1940ドル台半ばへと反発。1950ドルの節目割れに伴う短期下値目安1900ドル近辺に向けた流れは1930ドル台半ばまででいったん巻き戻す格好にもなったものの、インフレ高止まりによる追加利上げが意識されて急失速、反発にも失敗して上ヒゲを残しながら下値も限定的に。1900ドルの大台近辺までの下値警戒感も残しての3連休入り、次週早々に米債務上限問題が解消し、フィッチによる格下げも回避となれば下値トライ再開も。そうでなければ反発方向へと巻き戻しの展開にも。
週間ベースでは-37.3ドル、1.88%安、2週連続の大幅安で3週続落。

NYプラチナ・日足チャート 2023/4/24 - 5/26NYプラチナは+1.8ドル、0.18%の小幅高で4日ぶりの反発。アジア時間でにつけた安値は1024.6ドル、前日安値(1020.8)手前で切り返すと1030ドル台へ、ロンドン・NY市場にかけては1030ドル台を中心に小幅保ち合いの展開に。NY午前につけた高値は1040ドルまでにとどまって反発は限定的、NY引けにかけては1030ドル割れへと軟調推移。上ヒゲ十字線を形成し、軟調局面継続の様相も、ほぼ水平状態の90日移動平均線(1017.7)から1020ドル近辺が目先のサポートにも。これを下抜けると1050ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1000ドルの大台前後を目指す流れ再開へ。
週間ベースでは-47.6ドル、4.43%の大幅反落。昨年11月14日からの週(-53.8ドル、5.18%)以来、半年ぶりの急落。

ドル円・日足チャート 2023/4/24 - 5/26ドル円は54銭のドル高円安、0.39%高で3日続伸。昨年11月22日(141.22)以来半年ぶり高値圏での一段高。東京朝には140円台維持をかけた攻防状態から139円70銭台へと水準を切り下げ、東京市場終了後、欧州序盤にかけて139円50銭近辺まで下落。これが安値となって下げ渋る状態となり、NY朝にはPCE上ブレを受けて139円60銭台から140円30銭台まで急騰、NY午後には140円70銭台まで一段高。RSIは81.8%と過熱、短期的な流れとしても一服感は生じやすい状況ながら、インフレ動向を受けた追加利上げ観測の高まりと月末の重要指標ウィークを迎えるタイミング、債務上限問題の動向なども加わり、一段高への可能性も否定できない状況にも。さらなる上値目安としては10月高値(151.94)から1月安値(127.21)の61.8%戻し(142.49)近辺も。短期堅調トレンド維持に向けた下値サポートは5日移動平均線(139.46)近辺。
週間ベースでは+2.62円、1.9%高で3週続伸。2月13日からの週(+2.77円、2.11%)以来3ヵ月ぶり、今年2番めの急騰。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/26終値とチャート

2023年5月27日(土)時点の相場
国内金9,559 円 5/26(金) ▼33(0.34%)
国内プラチナ4,981 円 5/26(金) ▲13(0.26%)
NY金1,944.3 ドル 5/26(金) ▲0.6(0.03%)
NYプラチナ1,028.1 ドル 5/26(金) ▲1.8(0.18%)
ドル円140.59 円 5/26(金) ▲0.54(0.39%)

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