金プラチナ短期相場観
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ミシガン大では急騰のインフレ期待、NY連銀では横ばい推移
更新日:2025年2月11日(火)
先週末に発表されたミシガン大の1年先インフレ期待は1月の3.3%から2月速報で4.3%へと急騰。3年11ヵ月ぶり低水準となった11月(2.6)からは3ヵ月続伸となり、1年3ヵ月ぶりの高水準。
インフレ高止まりへの警戒感が高まりつつある状況とは言え、やや極端な数値となったようです。
比較的上下動も激しく、確報値で下方修正されることもしばしばのミシガン大とは少し趣も異なるNY連銀の消費者調査では、足下の動向は少し異なる結果に。
今週発表された1月のNY連銀1年先インフレ期待は3.00%。12月から変わらず。
4年ぶり低水準となった10月(2.87)からは続伸後に横ばい推移。昨年6月以降は8ヵ月連続3%前後で横ばい傾向。
2017年から2019年までの平均2.73%の少し手前で下げ渋る状態が継続中。
今後予想されるインフレ状況としては、平常時よりも少し高めで、収束方向にはない、という状況はミシガン大、NY連銀ともに同じ。
なお、NY連銀の1年先のインフレ不確実性指数は3.45となり、3年11ヵ月ぶり低水準となった10月(3.16)からは3ヵ月続伸、8ヵ月ぶりの高水準。
2017年から19年平均2.27も大きく上回る水準。
足下では、ミシガン大の1年先インフレ期待と同じような推移に。
インフレ見通しとして、不確実性が高まる状況、という意味でもミシガン大、NY連銀ともに同じ状況のようです。
10日のNY金は先週末から+46.8ドル、1.62%の大幅続伸で4日ぶり、今年5回めの過去最高値更新。上昇率は今年の絶対値平均騰落率0.74%の2.2倍、今年2番めの急騰。週明け時間外スタート時点で2880ドル割れの安値をつけて切り返し、2890ドル台へと水準を切り上げて以降も堅調推移。若干の抵抗感もあった2900ドルの大台を突破するとロンドン序盤にかけて一段高、NY市場では2930ドルを挟んでの保ち合いに。トランプ大統領がこの日、鉄鋼・アルミニウムに25%の関税賦課を発動、中国は対米報復関税発動など徐々に関税リスクが高まる状況もサポート材料の一つとなった可能性。2900ドルの節目突破に伴う短期上値目標2930ドル近辺に到達後も一服とはなり切れていない様子も。想定可能な一段高目安としては10月末高値(2801.8)から11月安値(2541.5)の161.8%戻し(2962.7)、200%戻しなら3062.1ドル。
NYプラチナは+11.5ドル、1.13%高で3日ぶりの反発。1月31日(1043.7)以来、10日ぶりの高値。時間外序盤には先週末安値を下回り、1000ドル台前半まで下落。大台割れを回避して切り返すとNY金の堅調推移に追随、ロンドン序盤に1020ドル台を回復するとNY市場では1030ドル台へ、高値では一時1040ドル超え、NY午後には1030ドル台半ばへと収束。1000ドルから1050ドルまでの主要レンジ半ばでの攻防から、ボラティリティを高めながらも上方向へと動き出しの可能性。このまま1050ドルの節目を超えて保ち合い上放れとなれば、10月高値(1064.6)トライへ。
金との価格差は1902.1ドルへと急拡大、3日ぶりに過去最大を更新。
ドル円は+54銭、0.36%高で6日ぶりの上昇。東京朝には151円20銭近辺から堅調推移、株高にも連れて152円20銭台まで上昇。失速後は151円70銭台まで下押し、東京市場終了後には押し目買いとなって152円50銭台まで上昇。しかし3日連続で200日移動平均線(152.76)に上値を押さえられて失速すると、NY市場にかけて151円50銭台まで軟調推移、NY午後の反発局面も152円近辺まで。12月安値(148.65)から1月高値(158.87)の76.4%戻し(151.06)を達成したところでいったん底打ちの可能性も残しての反発トライは目先、200日線との攻防に。CPIの結果次第で151円40銭の節目を割り込むようだと一段安トライへ、150円割れを試しに行く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/10終値とチャート
- 2025年2月11日(火)時点の相場
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国内金 : 15,273 円 2/10(月) ▲109(0.72%) 国内プラチナ : 5,109 円 2/10(月) ▼63(1.22%) NY金 : 2,934.4 ドル 2/10(月) ▲46.8(1.62%) NYプラチナ : 1,032.3 ドル 2/10(月) ▲11.5(1.13%) ドル円 : 152.00 円 2/10(月) ▲0.54(0.36%)
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