金プラチナ短期相場観
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ADP雇用1月は上振れ、過去データ改定で下げ渋りも顕著に
更新日:2025年2月6日(木)
ADP雇用は予想以上に堅調。
ADP雇用リポートで1月の雇用者数の伸びは+18.3万人へと加速。市場予想の+15万人を上回り、12月の+17.6万人も上回って2ヵ月ぶりの高水準。
1年9ヵ月ぶり高水準となった10月(+22.1)を下回るものの、+20万人割れで下げ渋る状態。
なお、過去データが改定され、2010年以降では合計-195.7万人の大幅下方改定。2024年1年間では合計-9.0万人、2023年は年間合計で-114.5万人。2022年は+5.4万人。2021年は+78.0万人、2020年は-73.3万人。コロナ以降が大幅改定。
これを反映した状態で3ヵ月平均で見ると、1月は+18.8万人。2年ぶり高水準となった11月(20.6)からは2ヵ月連続の小幅減。ただし2年間では4番めの高水準。
2023年4-5月の10万人割れで底打ちし、横ばい傾向を経て2024年後半から上昇傾向へ。
2012年から2019年までの平均+18.0万人を上回っての推移も4ヵ月連続で下げ渋り。
この後発表されたISM非製造業景況指数は52.8と予想を下回ったのの、節目50超の拡大基調は7ヵ月連続維持。雇用指数は52.3となり、続伸で4ヵ月連続節目50超、1年4ヵ月ぶりの高水準。
週初に発表されたISM製造業景況指数の雇用指数も50.3で8ヵ月ぶりの50超。
雇用情勢としては2025年も堅調スタートとなる可能性も。
5日のNY金は+17.2ドル、0.60%高で3日続伸。3日連続、今年4回めの過去最高値更新。アジア時間序盤に2870ドルの安値をつけて切り返すと早々に前日高値を超えて2880ドル台へ、米10年債利回り低下の流れを受けての堅調推移でロンドン序盤には2890ドル台、ドル安の流れも加わると2900ドルの大台トライへ。NY朝にはADP雇用の上振れを受けて一時2880ドル割れへと巻き戻し、しかしその後発表されたISM非製造業景況指数が予想を下回ると再び巻き戻し、押し目買いとなったNY金は2900ドル台へと再上昇、2906ドルの最高値をつけてNY引け後には2880ドル台へ。大台超えで上ヒゲを残して失速する格好にもなり、週末の雇用統計前には多少の調整も?1月末安値(2732.0)から最高値(2906.0)の23.6%戻し(2864.9)辺りまでが適度な調整目安にも。
NYプラチナは+13.4ドル、1.32%の続伸。アジア時間は1010ドル割れで下げ渋り、節目となる1000ドルの大台を維持して切り返し。ロンドン市場では1010ドル台での保ち合い、NY市場では1020ドルトライへ。1020ドル台後半ではまだ上値が重く、NY引け後には1020ドル割れへと失速。1000ドルから1050ドルまでの主要レンジ半ばでの攻防となり、この攻防の行方が目先の短期トレンドを左右することにも。上半分へと水準を切り上げると1050ドルの節目との攻防へ、これを突破すると10月高値、1070ドル近辺トライへ。下半分の推移が続くようなら下限との攻防へ、大台割れなら970ドル近辺までの下値切り下げも。
金との価格差は1867.2ドルへと拡大、3日連続で過去最大を更新。
ドル円は-171銭、1.11%の大幅安で3日続落。東京朝の154円40銭台が高値となって軟調推移。12月の毎月勤労統計で現金給与総額が予想以上の伸びとなり、日銀の早期利上げ観測が台頭。円高圧力が強まり、154円30銭の節目を割れると154円割れへと一段安、午後には153円ちょうど付近まで下落。153円半ばまでの反発もはさんで153円台では下げ渋るも欧州時間には153円割れ、12月安値(148.65)から1月高値(158.87)の61.8%戻し(152.55)近辺まで下落してNY朝には153円20銭台まで反発。しかしISM非製造業景況指数が予想外に低調となったことを受けて反落すると152円半ばを突き抜けて152円10銭台まで下落。NY引けにかけては152円半ばを回復。今朝の東京市場では日銀関係者発言を受けて円高再燃、152円割れを試す場面も。結果的に154円30銭の節目割れに伴う短期下値目安152円半ばに到達後も、一服とはなり切れない様子も。売り圧力が続けば次の目安は76.4%戻し(151.06)、151円近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/5終値とチャート
6日の国内金価格は-3円、0.02%の小幅安で5日ぶりの反落。5日ぶりに過去最高値更新ストップも、ほぼ横ばい推移で高止まり。昨年1年間の絶対値平均騰落値幅は95円。今年はここまでで78円。昨年の8割程に値動きは縮小。急騰、急反落を繰り返して水準を切り上げてきた過去の流れとは少しだけ趣は異なり、今年ここまでは地道に堅調推移となって最高値更新フェーズに。急騰していない分だけ急反落の確率も低下。とはいえいずれ調整必至の展開にも。1月中旬安値(14731)から最高値(15377)の23.6%戻し(15225)辺りまでが調整目安にも。
プラチナ価格は+21円、0.41%高で3日ぶりの反発。9日移動平均線(5145)にサポートされ、強気のパーフェクトオーダーの勢いに押し上げられた格好にも。しかし今年高値(5262)と安値(5003)を起点に形成する短期三角保ち合い、さらに昨年秋以降の短中期三角保ち合い傾向の上限ラインとの攻防状態に。目先、5230円の節目を突破できれば今年高値トライへ、5270円近辺までが短期上値目標に。ただし5170円割れへと反落なら上抜けトライ失敗、5100円近辺までを目安に巻き戻しの展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格2/6とチャート
- 2025年2月6日(木)時点の相場
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国内金 : 15,374 円 2/6(木) ▼3(0.02%) 国内プラチナ : 5,197 円 2/6(木) ▲21(0.41%) NY金 : 2,893.0 ドル 2/5(水) ▲17.2(0.60%) NYプラチナ : 1,025.8 ドル 2/5(水) ▲13.4(1.32%) ドル円 : 152.61 円 2/5(水) ▼1.71(1.11%)
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