金プラチナ短期相場観
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米12月求人件数は予想以上に減少、でも下げ渋り?
更新日:2025年2月5日(水)
2024年末の米求人件数は予想以上に減少。
米労働省発表の12月JOLTS求人件数は760万件。市場予想の800万件を下回り、11月の815.6万件からは-6.82%減。3ヵ月ぶりの減少で9月(737.2)以来、3ヵ月ぶりの低水準。3年10ヵ月で2番めの低水準。
前月比-6.82%は2年4ヵ月ぶりの大幅減となり、前年比では-14.50%で3ヵ月ぶりの大幅減、2年5ヵ月連続前年割れ。
減少傾向は続くものの、減少ペースは鈍化傾向となり、コロナ直前、2020年2月(697.4)を上回る水準での推移。
12月の失業者数は688.6万人で半年ぶりの低水準。こちらは上げ渋り。
この結果、失業者1人当たりの求人件数、求人倍率は1.10件。11月の1.15件から低下し、9月(1.07)以来3ヵ月ぶりの低水準。3年半では3番めの低水準。
コロナ直前、2020年2月(1.21)を少し下回る水準で下げ渋りの兆しも。
なお、求人率では4.5%となって11月の4.9%からは低下。ただし4年ぶり低水準となった9月の4.4%は下回らず。
採用率は3.4%で3ヵ月連続横ばい推移、離職率も2.0%で横ばい、解雇率も1.1%で4ヵ月連続横ばい推移。
いずれも近年最低を少し上回って下げ渋り。
米労働市場に悪化の兆し、とは言い切れない状況のようです。
4日のNY金は+18.7ドル、0.65%の続伸で2日連続、今年3回めの過去最高値更新。アジア時間には2850ドル台から一時2840ドル割れへと下押し、ロンドン市場では2840ドル台で下げ渋り、NY朝には米10年債利回り低下とドル安の流れが強まったことを受けて押し目買い、NY午後には前日高値を上回って2870ドル台後半まで上昇、NY引け後も2870ドル台で高止まり。2850ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2870ドル台に再上昇、前日の下ヒゲ陽線の勢いを維持してしっかりと水準を切り上げる格好に。過熱感も高まり、多少の調整には程良いタイミングだが。2830ドルが当面の下値サポート、割り込むようなら2800ドル近辺までの調整も。
NYプラチナは+9.9ドル、0.99%の反発。前日の急落の勢いが残るアジア時間には1000ドルの大台維持をかけた攻防、ロンドン市場では耐え切れず、前日安値を下回る990ドル近辺まで下落。切り返す形となったNY市場ではNY金の急騰局面に追随、NY午後には1010ドル台へ、高値では1020ドル付近まで上昇。12月安値(907.4)から2月高値(1046.7)の38.2%戻し(993.5)を達成して調整一服、1000ドルの大台をなんとか維持した格好に。あらためて大台を維持できなくなれば970ドル近辺までの下値切り下げも。
金との価格差は1863.4ドルへと拡大、2日連続で過去最大を更新。
ドル円は-54銭、0.35%の続落。東京朝には米国によるカナダへの関税30日間停止報道を受けてリスク回避の巻き戻し、株高の流れにも連れて154円半ばから155円40銭台まで上昇。155円台前半での保ち合いとなって東京午後から欧州時間を通過、NY市場では12月求人件数や製造業受注が予想を下回ったことを受けて米10年債利回り低下とともに154円半ばへと軟調推移。安値では154円10銭台まで下げて154円30銭台へと反発。今朝の東京市場では円高の流れとなって154円30銭の節目を割り込み、154円割れへと軟調推移。このまま154円30銭の節目を回復できなければ一段安の展開へ、153円割れを試しに行く可能性が高まり、12月安値(148.65)から1月高値(158.87)の61.8%戻し(152.55)辺りまでが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/4終値とチャート
5日の国内金価格は+48円、0.31%高で4日続伸、4日連続、今年5回めの最高値更新。1月中旬高値23日(15113)から月末安値(14916)の161.8%戻し(15235)を達成し、さらに一段高となって200%戻し(15310)も達成してなお上げ止まらず。ジリジリと水準を切り上げる堅調トレンドを形成し、次に想定可能な節目となりうる水準としては261.8%戻し(15432)。引き続き9日移動平均線(15141)が短期トレンドサポートラインに、今年の絶対値平均騰落値幅は81円、平均的な変動で予想される範囲は15296円から15458円。
プラチナ価格は-25円、0.48%の続落。上昇軌道の90日移動平均線(5107)を上回る水準で平行推移の21日移動平均線(5131)を9日移動平均線(5135)が上抜け、強気のパーフェクトオーダーを構成して堅調局面再開へのサポート態勢に。ただし短中期的な流れとしては三角保ち合い傾向の展開となり、水準的には近年でも高値圏に位置し、上方向へと抜け出すにはそれなりの勢いも必要。それでも5230円超へと抜け出すことができれば今年高値(5262)更新トライへ、短期上値目標は5270円近辺。
金との価格差は10201円となり、3日連続で過去最大を更新。
※参考:金プラチナ国内価格2/5とチャート
- 2025年2月5日(水)時点の相場
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国内金 : 15,377 円 2/5(水) ▲48(0.31%) 国内プラチナ : 5,176 円 2/5(水) ▼25(0.48%) NY金 : 2,875.8 ドル 2/4(火) ▲18.7(0.65%) NYプラチナ : 1,012.4 ドル 2/4(火) ▲9.9(0.99%) ドル円 : 154.32 円 2/4(火) ▼0.54(0.35%)
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