金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

中銀や投資家はリスク分散、関税戦争にはリスク回避で金高騰

更新日:2025年2月7日(金)

世界の金需要と金価格 年間推移 2024年ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のレポートによれば、2024年世界全体の金需要は4553.7トン。前年比+61.3トン(1.4%)で2年ぶりの高水準。2011年(4748.8)、2012年(4711.8)、2022年(4720.6)に次ぎ、過去4番めの高水準。
近年では、コロナ後の需要急増とともに金価格も急騰。
宝飾品需要が減少した一方で、投資需要が+24.7%の大幅増。
投資ではETF関連が4年連続の売り越しとなったものの、バー・コインなどの金現物需要が4年連続1000トン超となってカバー。中央銀行による需要も3年連続1000トン超と高止まり。
全体シェアも中銀需要と投資需要を合わせて50%弱。

足下ではトランプ関税で近隣国や中国が振り回され、EUでも警戒感が高まり、高を括る日本もどうなるか。
関税=インフレ・リスクというよりも、先行き不透明感によるリスクを回避する側面のほうが強まる状況にも。
中央銀行や個人投資家はリスク分散の意味でも金買い需要が旺盛となる昨今、市場はリスク回避の流れで金買いに。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年2月6日6日のNY金は-16.3ドル、0.56%安で4日ぶりの反落。4日ぶりの最高値更新ストップ。アジア時間には2880ドル台での保ち合い、米10年債利回り上昇とドル高傾向となったロンドン市場では2870ドルまで下押し、巻き戻し局面での反発は2890ドル台半ばまで。これが高値となってNY市場では米10年債利回り再上昇に連れて2850ドル台半ばまでの急反落、しかし米10年債利回りが上げ渋ったNY午後には2870ドル台を回復。NY引け後には2880ドル台回復へと下げ渋り。瞬間的には1月末安値(2732.0)から最高値(2906.0)の23.6%戻し(2864.9)を達成し、下ヒゲを残しての高止まり状態で雇用統計待ちへ。予想外に弱い結果などをきっかけに2900ドルの節目を上抜けると2930ドル辺りまでが短期上値目標に、逆に再度調整圧力が強まると38.2%戻し(2839.5)、2840ドル近辺までが下値目安にも。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年2月6日NYプラチナは-3.5ドル、0.34%安で3日ぶりの反落。1020ドル台前半を中心に小幅保ち合い推移、ロンドン序盤には安値で1010ドル付近まで下げてNY市場では反発、高値では前日高値を少し上回る1030ドル付近まで上昇。しかしこれも一時的となってNY午後には1020ドル台前半での小幅保ち合いに回帰。1000ドルから1050ドルまでの主要レンジ半ばでの攻防が続いて十字線状態に。1030ドル近辺がレジスタンスとなる前に、レンジ上半分へと上方シフトできるかどうか。できなければ下半分にレンジを縮小、下限割れの場合には970ドル辺りまでの下値トライにも。

USDJPY・日足+200日移動平均線 2025年2月6日ドル円は-115銭、0.75%安で4日続落。今年安値を更新して12月9日(151.19)以来、4週間ぶりの安値。東京朝には田村日銀審議委員の「1%程度まで短期金利引き上げが必要」発言などを受けて円高圧力が強まり、152円70銭台から151円80銭台まで急落。一服後は巻き戻しの流れで欧州時間に152円80銭台まで反発、しかし200日移動平均線(152.78)がレジスタンスとなる形で失速すると戻り売りの展開に。NY市場では米10-12月期の非農業部門労働生産性、単位労働コスト速報値がいずれも予想を下回り、新規失業保険申請件数も悪化したこともあり、152円割れへと軟調局面継続、NY午後には米10年債利回り低下にも連れて151円20銭台まで下落。雇用統計直前の一段安で今朝の東京市場では12月安値(148.65)から1月高値(158.87)の76.4%戻し(151.06)も達成。雇用統計が予想外に弱い結果となれば150円の節目トライも意識され、反発方向へは200日線回復がポイントに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート

7日の国内金価格は-210円、1.37%の続落で1月31日(15133)以来、1週間ぶりの安値。今年の絶対値平均騰落率0.56%の2.5倍、今年最大の急落となり、1月中旬安値(14731)から最高値(15377)の23.6%戻し(15225)を突き抜けて9日移動平均線(15179)も下抜け。強気のパーフェクトオーダーが崩れて短期上昇トレンド解消トライの様相に。9日線下抜けが一時的とならない場合には38.2%戻し(15130)も意識され、その先には半値戻し(15054)が当面のサポート候補にも。切り返す展開となって15380円超へと最高値更新となれば15470円程度までが次の上値目標に。
週間ベースでは+31円、0.2%の小幅高で3週続伸。

プラチナ価格は-25円、0.48%の反落で1月31日(5158)以来、1週間ぶりの安値。それでも9日移動平均線(5153)にサポートされ、強気のパーフェクトオーダーを維持して下げ渋る格好にも。ただし5170円の節目を維持できなければ下押し圧力が強まる可能性、9-21-90日移動平均線(5115)を全て下抜けて5100円近辺までが短期下値目安に。逆に5200円超へと切り返すことができれば上値トライ再開、今年高値更新トライとなって5270円近辺までを目指す展開にも。
週間ベースでは+14円、0.27%高で3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格2/7とチャート

2025年2月7日(金)時点の相場
国内金15,164 円 2/7(金) ▼210(1.37%)
国内プラチナ5,172 円 2/7(金) ▼25(0.48%)
NY金2,876.7 ドル 2/6(木) ▼16.3(0.56%)
NYプラチナ1,022.3 ドル 2/6(木) ▼3.5(0.34%)
ドル円151.46 円 2/6(木) ▼1.15(0.75%)

2/6(木)のその他主要マーケット指標

雇用統計も過去2年の雇用は下方改定、足下では堅調 2/8(土)

中銀や投資家はリスク分散、関税戦争にはリスク回避で金高騰 2/7(金)

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