1月
金プラチナ短期相場観
雇用統計も過去2年の雇用は下方改定、足下では堅調
更新日：2025年2月8日(土)
米1月雇用統計は強弱混在。
失業率が4.0％となり、。2ヵ月連続の低下で5月以来、8ヵ月ぶりの低水準と予想外の好結果。
これに対して非農業部門雇用者数（NFP）は前月比＋14.3万人。市場予想の+17.5万人を下回り、3ヵ月ぶりの低水準。
なお、年次改定で過去データが全面改訂され、2010年以降の改定幅は合計-61.1万人。予想された程修正幅は大きくはなかったものの、2024年は合計-23.6万人、2023年は-41.9万人。
過去2年分はある程度の大幅下方修正となったなか、直近の過去3ヵ月はいずれも上方改定、過去2ヵ月は合計で+10.0万人の大幅上方改定。
この結果、3ヵ月平均では+23.7万人。3ヵ月続伸で急反発局面を形成、2023年3月以来、1年10ヵ月ぶりの高水準。
雇用者数の伸びも、方向性は上向き。意外と底堅い推移が続く可能性も。
U6失業率は7.5％。半年ぶり低水準の12月から変わらず。
労働参加率は62.6％。4ヵ月ぶり高水準。
長期失業者の割合は21.1％。前月から-1.3％の続落で8ヵ月ぶりの低水準。
賃金上昇率は、平均時給で前年比+4.06％。市場予想の+3.8％を上回り、12月からは+0.01％の小幅上昇。3年2ヵ月ぶり低水準となった7月の+3.63％で底打ちの可能性を残し、10月以降は4ヵ月連続4％台で下げ渋り。
ミシガン大の2月速報で1年先インフレ期待も1月の3.3％から4.3％へと急騰しており、相互関税への警戒感からもインフレ高止まり懸念は続きます。
堅調な雇用情勢と合わせ、利下げ停止状態長期化懸念も続きそうです。
7日のNY金は+10.9ドル、0.38％の反発。2880ドル台での保ち合いをベースに上下動。強弱混在となった米雇用統計直後には小幅に乱高下の反応、2870ドル台半ばの安値をつけて切り返すと2890ドル台へ、低調となったミシガン大消費者信頼感指数2月速報後には一時2910ドルまで急騰。最高値更新後には急速に巻き戻してNY午後には2880ドル台、2880ドル割れでは下げ渋り、NY引けにかけては2880ドル台半ばから後半へ。トランプ大統領の相互関税導入示唆発言はリスク回避の意味ではサポート材料にも。前日の下ヒゲから、この日は上ヒゲを残して高値圏での小幅保ち合いに。2870ドルから2900ドルまでが目先の保ち合いレンジとなり、下限割れなら2850ドル近辺までの下値切り下げ、上限突破なら2930ドル近辺までを目指す展開にも。
週間ベースでは+52.6ドル、1.86％高で6週続伸。6週続伸は2023年4月以来、1年10ヵ月ぶり。
NYプラチナは-1.5ドル、0.15％の小幅続落。1020ドル台での保ち合いをロンドン序盤に抜け出し、前日高値も上抜けて1030ドル台半ばまで上昇。これが高値となって失速するとNY午前の雇用統計後に小幅上下動、NY午後には1020ドル近辺へ。相互関税がマイナス材料となって軟調推移となった米株にも追随する格好となり、NY引け後には前日安値も下回る1010ドル割れへと一段安。引き続き1000ドルから1050ドルまでの主要レンジ半ばでの攻防が続く形も、下押し圧力が徐々に強まる様子も。1000ドルの大台割れなら970ドル近辺までの下値トライへ。
週間ベースでは-22.9ドル、2.19％安で3週ぶりの反落。
ドル円は前日から変わらず、151円半ばの今年安値圏での横ばい推移。東京朝には151円40銭台から一時151円割れへと軟調推移、12月安値（148.65）から1月高値（158.87）の76.4％戻し（151.06）を達成し、151円割れで下げ渋って切り返すと午後には151円後半へ。151円後半での小幅保ち合いからNY朝にかけては152円近辺へ、雇用統計には152円40銭台まで急騰後に151円30銭台までの急反落で反応、152円付近に戻した後は徐々に軟調推移、ミシガン大消費者信頼感指数も低調となり、リスク回避の株安基調にも連動する格好となって再び151円割れの安値トライへ。しかし151円割れでは再び下げ渋って151円後半へと反発。トランプ大統領の相互関税発言がインフレ懸念となってドル高をサポートした格好にも。調整一服となりそうで下げ止まり切れない状態となり、引き続き200日移動平均線（152.77）が反発方向へのレジスタンス候補に。
週間ベースでは-3.73円、2.40％の大幅安で4週続落。下げ幅は10週ぶりの大きさで4週続落は7月末以来、半年ぶり。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場2/7終値とチャート
- 2025年2月8日(土)時点の相場
-
国内金 ： 15,164 円 2/7(金) ▼210(1.37％) 国内プラチナ ： 5,172 円 2/7(金) ▼25(0.48％) NY金 ： 2,887.6 ﾄﾞﾙ 2/7(金) ▲10.9(0.38％) NYプラチナ ： 1,020.8 ﾄﾞﾙ 2/7(金) ▼1.5(0.15％) ドル円 ： 151.46 円 2/7(金) +-0.00(0.00％)
トランプ関税拡大、円高でも国内金価格は高止まり 2/10(月)
雇用統計も過去2年の雇用は下方改定、足下では堅調 2/8(土)
中銀や投資家はリスク分散、関税戦争にはリスク回避で金高騰 2/7(金)
ADP雇用1月は上振れ、過去データ改定で下げ渋りも顕著に 2/6(木)
米12月求人件数は予想以上に減少、でも下げ渋り？ 2/5(水)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート＆レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート＆レジスタンスライン
