金プラチナ短期相場観
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トランプ関税拡大、円高でも国内金価格は高止まり
更新日:2025年2月10日(月)
対日関税の話をうまくやり過ごし、上出来と評価された日米首脳会談を終えた週明け、中国は予定どおり米国産品の一部に最大15%の報復関税を発動。トランプ米大統領は「鉄鋼・アルミニウムへの25%関税」を全ての国に適用することを発表。これと前後してEUは対米自動車関税率を引下げへ、との報道も。トランプ米大統領の横暴かのような報道も見られるなか、各国の利害関係と思惑が複雑に絡み合う世界の貿易事情も表面化。
関税引き上げなら、米国内では輸入品価格上昇でインフレ懸念にドル高要因にも。と同時に世界の貿易事情としてはリスク要因にもなり、市場動向としてはリスク回避の側面も。
結果的にドル円では昨年秋以降のドル高円安トレンドが一服し、年明けのトランプ大統領就任直前からドル安円高へと巻き戻しの流れが進行。年初来では-5.76円、3.66%のドル安円高が進行するなかでも、国内金価格は15200円超。最高値圏での高止まり状態が続きます。
週明け時間外のNY金は2890ドル台での推移、先週末の2880ドル台から水準を切り上げ、一時2900ドルの大台再トライも。NYプラチナは1000ドル台、週末NY引け後に1020ドルから1010ドル割れへと水準を切り下げたまま、1010ドルがレジスタンスの様相にも。ドル円は151円10銭台から堅調推移、株高にも連れて152円トライ。
10日の国内金価格は週末から+109円、0.72%高で3日ぶりの反発。今年最大の急落となった週末の下げ幅の半値を戻し、下抜けたばかりの9日移動平均線(15219)も上抜け。右肩上がりに並行推移の9-21日移動平均線(15030)にサポートされる強気のパーフェクトオーダーも再開。ただし流れとしては失速状態が続き、再度9日線を割れて15160円の節目を維持できなくなるようだど調整局面形成へ、21日線付近、15040円辺りまでが短期下値目安に。逆に15380円超へと最高値更新ならもう一段の上値トライ、上値目標は15470円程度まで。
一目均衡表では、年末から基準線(14992)を上回り続ける転換線(15192)にサポートされる状態が続き、1月末以降はこれを上回り続けて三役好転の強気相場が継続。12月以降は上昇チャネルを形成してやや一方的な上昇トレンドが2ヵ月継続中。過熱感こそないものの、時間とともに短期トレンド崩れへの警戒感は高まる状況に。その一方で秋以降では三角保ち合いを形成し、足下でこれを上方ブレイク。中期的に予想可能な上値トライ目安は10月高値(15025)から12月安値(13896)の161.8%戻し(15723)。
プラチナ価格は-63円、1.22%の続落で1月30日(5109)以来、10日ぶりの安値。9日移動平均線(5136)を下抜け、下落に転じた21日移動平均線(5126)と90日移動平均線(5117)もまとめて下抜け。5170円の節目割れに伴う短期下値目安5100円近辺にも急接近。若干の下値余地も残しながら、調整一服となってこの近辺で切り返すことができれば12月以降下値を切り上げるサポートライン継続の構図となり、中期トレンド維持、三角保ち合い傾向継続へ。
一目均衡表では、転換線(5144)と、これをを少し下回る基準線(5133)をまとめて下抜け。遅行線も26日前の価格(5142)を下抜けて二役逆転。1週間前には雲の上限(5223)に上値を押さえられて反落し、雲の下限(5038)を上回る水準は維持して一役は揉み合い。秋以降は中期三角保ち合いを形成し、足下では上限ラインに跳ね返されて今度は下限ラインとの攻防へ。その行方は、雲のなか。
※参考:金プラチナ国内価格2/10とチャート
- 2025年2月10日(月)時点の相場
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国内金 : 15,273 円 2/10(月) ▲109(0.72%) 国内プラチナ : 5,109 円 2/10(月) ▼63(1.22%) NY金 : 2,887.6 ドル 2/7(金) ▲10.9(0.38%) NYプラチナ : 1,020.8 ドル 2/7(金) ▼1.5(0.15%) ドル円 : 151.46 円 2/7(金) +-0.00(0.00%)
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