金プラチナ短期相場観
ウクライナ情勢進展でリスク資産はレンジ上限トライの流れも
更新日:2014年2月24日(月)
週末開催のシドニーG20では、5年で2%の世界経済成長率底上げという具体的な目標が採択され、懸念された米緩和縮小に対する新興国の不満がクローズアップされることはなく、成長戦略重視のトレンドを再確認した前向きの無風状態でやり過ごした様子。
混乱が続いたウクライナでは親ロシア派のヤヌコビッチ政権が崩壊し、大統領代行選出により暫定政権の樹立と5月の大統領選に向けて親欧路線への再転換が図られる見通しとなり、ロシア側の動向に懸念は残るものの、ひとまず落ち着きを取り戻しそうな状況に。
そんな週末を経て、リスク資産はレンジ上限トライの様相でリスクオン相場再開を目指すような動きも。
ドル円相場は朝から堅調推移で102円70銭台のレンジ上限付近、一時102円68銭まで上昇(して反落)。2月4日の14,008円を底値に14,800円台を上限としたレンジでの乱高下が続いていた日経平均も、今朝は一時14,900円台での推移(後、14,800円台へと反落)。ただし、NYダウは最近の16,000-200ドルのレンジ半ばで静観の構え。
リスクオン相場再開にも踏み切れないもどかしさが表れているような展開となっています。
金や原油などのコモディティの堅調推移に反して、日本株を筆頭に低調な株価の回復に向けては、日銀の追加緩和期待がいっそう高まりつつあるようです。
先日の日銀金融政策決定会合での限度額2倍・貸出枠2倍の擬似緩和が追加緩和への伏線との見方、あるいは日銀の時間稼ぎ策が逆に市場の期待を煽ってしまったという見方もできますが、いずれにしても成長戦略が期待できない現状の日本では、3月もしくは4月の追加緩和への期待はますます高まります。
3月11日の日銀会合、その前には3月7日の米雇用統計、後には19日の米FOMC、日米のどちらがきっかけとなるかは分かりませんが、3月に現状の流れが逆転し始める可能性も十分に考えられそうです。
そのとき、金は再び反落へと向かう可能性が高まることになります。
国内金価格は0.49%の続伸。18日につけた4,531円の年初来高値をわずかに更新し、再び上方向へと加速する可能性が高まった状況。ただし過熱感が非常に高い状態が継続していること、昨年9月20日の4,544円を上抜けできていないことなどから、4,530円台の抵抗線を一時的に少しオーバーランしただけ、という可能性も。順調に上値を伸ばすようなら、目先の目標水準は4,620円近辺。さらに上値余地を拡大する可能性も。サポートラインは4,480円台。
プラチナも0.83%の続伸。4,870円の軽めの節目を超えたことで上値余地は拡大。目標水準は5,000円ちょうど近辺。サポートラインは4,830円。9日移動平均線が21日移動平均線をゴールデンクロスし、パーフェクトオーダー完成。ただし21日移動平均線だけがまだ右肩下がり。これが上向くことが目標水準到達へのポイントに。
※参考:金プラチナ国内価格2/24とチャート
- 2014年2月24日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,539 円 2/24(月) ▲22(0.49%) 国内プラチナ : 4,885 円 2/24(月) ▲40(0.83%) NY金 : 1,323.6 ドル 2/21(金) ▲6.7(0.51%) NYプラチナ : 1,427.9 ドル 2/21(金) ▲15.4(1.09%) ドル円 : 102.53 円 2/21(金) ▲0.27(0.27%)
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