金プラチナ短期相場観
雇用統計では賃金上昇率もデフレ脱却の兆しでFRBに追い風
更新日:2015年6月6日(土)
5月の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を大きく上回り、昨年12月以来の大幅増となるポジティブ・サプライズに。失業率が予想を上回り、7年ぶり低水準となっていた4月の5.4%から5.5%へと一歩後退となった代わりに労働参加率が62.9%へと上昇。未だ低水準ながらも2カ月連続上昇で若干の希望も。
長期失業者の割合も5カ月連続の低下で28.6%へと改善。
そして、FRBにとっての今回のサプライズは賃金上昇率。平均時給は24.96ドルへと上昇し、前年同月比では3カ月連続上昇で2.30%の上昇。2013年8月の2.26%、2011年7月の2.26%を上回り、2009年10月の2.34%以来、5年7カ月ぶりの高水準に。リセッション後の2010年以降、2%前後の低迷状態が続くペントアップ賃金デフレからの脱却へとつながる可能性を示唆する光明に。
2016年への利上げ先送り論が台頭し始めていた矢先の好結果に、再び前倒し論が盛り返すことになりそうです。
金融政策の早期正常化を目指すFRB首脳が予想したとおりに、追い風が吹き始めてきたかもしれません。
5日のNY金相場は3日続落の0.6%安。雇用統計のポジティブ・サプライズを受けて1170ドル割れへと急落すると、一時3月19日以来2ヶ月半ぶりの安値水準となる1162.1ドルまで下落。終値では1168ドル、今朝時点では1170ドル台へと持ち直し、ドル買いの強さの割には底堅さも。下値目標1150ドル台の少し手前で反発した形となり、この後利上げ前倒しにつながる材料が続かないようなら、今回の短期下値トライの流れはいったん途切れる可能性も。しばらくはもう一段の下げで1150ドル台近辺までの警戒感も残る状況。
週間ベースでは-21.3ドル(-1.79%)となり、3週続落。
プラチナ相場も0.66%安となって3日続落。急落局面での安値は3月17日の1086.7ドルのわずかに手前、1088ドルまででいったん反発、しかし終値ではこれまでの今年安値、3月18日の1092.6ドルをわずかに更新。1100ドルの節目を下抜けたことでこの水準が上値抵抗水準にもなりやすく、1060ドル付近を目指す下落トレンドも継続中。
週間ベースでは-19.5ドル(-1.75%)で3週続落。
ドル円は0.98%の大幅高で3日続伸。雇用統計発表前から好結果を期待する向きが優勢だったようで124円台半ばから後半へと水準を切り上げ、予想を大きく上回る結果に1円ほどの急騰。2002年6月13日以来、ほぼ13年ぶりとなる125円80銭台まで上昇。124円台での保ち合いを上方ブレイクしたことで再びドル高円安の流れが加速する可能性。ドル高懸念と円安けん制の逆風のなか、目標水準127円台後半を目指す流れへ。
週間ベースでは+1.45円(+1.17%)となって3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/5終値とチャート
- 2015年6月6日(土)時点の相場
-
国内金 : 5,044 円 6/5(金) ▼30(0.59%) 国内プラチナ : 4,723 円 6/5(金) ▼23(0.48%) NY金 : 1,168.1 ドル 6/5(金) ▼7.1(0.60%) NYプラチナ : 1,092.0 ドル 6/5(金) ▼7.2(0.66%) ドル円 : 125.57 円 6/5(金) ▲1.22(0.98%)
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