金プラチナ短期相場観

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中国発世界経済の先行き不透明感はわずかに緩和、米国は?

更新日:2015年10月1日(木)

今や世界で最も注目される経済指標の一つとなった中国の製造業PMI。8月21日に発表された8月分の財新・製造業PMI速報値が47.1へと急落したことが世界同時株安の流れへのトリガを引いた形となっていましたが、その後9月1日には47.3へと上方改訂されました。しかし、同じ日に国家統計局から発表された製造業PMIが半年ぶりの節目50割れとなり3年ぶり低水準へと急落したことで市場の不安感は続きました。
その後9月23日に発表された9月分の財新・製造業PMI速報値は47.0へとさらに低下。なかなか落ち着かない状況が続きましたが、本日の9月分改訂値では47.2へと上方修正。さらに国家統計局の発表値も49.8へとわずか0.1ポイントながらも上昇。
低下傾向が続かなかったことで市場の不安感は大きく緩和され、株高ドル高、資源国通貨や新興国通貨も買われるリスクオン相場の様相に。

悪化した数値が発表されるたびに不安感が拡大し、売り込まれてきたリスク資産が買い戻され、これが底打ちへのきっかけとなるのかどうかはまだ難しいところですが、とりあえず現時点では原油もプラチナも上昇傾向、リスクオンでは売られやすい金も横ばい推移となり、最近の行き過ぎた流れの軌道修正へと向かい始めた可能性も出てきそうな状況です。

悪い数値を何度も発表し、市場不安の大きな要因の一つとなってしまっていた財新の製造業PMIは、これを反省してかどうかは定かではありませんが、10月からは速報値の発表を取りやめることにしたようです。

とりあえず底打ちへの可能性を示し、中国発の世界経済先行き不透明感はいったんはやや緩和される状態となり、もう一つの不透明感である米国の利上げ動向を見極めることになります。

NY・フィラデルフィア・シカゴPMIの推移 2015年9月労働市場の好調を維持する米国でも、もともと中国の製造業PMI以上に注目度は高かったISM製造業景況指数(PMI)が本日発表されます。こちらは節目の50を上回る状態が続いてはいますが、昨年に比べて鈍化傾向は鮮明。
さらに、先行指標とも言われる米主要3地域の9月分PMIは全てマイナス圏(節目の50割れ)へと落ち込んでいます。(※シカゴPMIは50を0に換算)

雇用統計が相当のポジティブ・サプライズにでもならないかぎり、米国の利上げをめぐる不透明感はもうしばらく継続することになりそうです。

NY金・日足チャート 2015/8/31 - 9/3030日のNY金相場は1.03%安となって4日続落。株高ドル高の流れに軟調推移もレンジ下限1120ドル台まで、しかしADP雇用リポートが米労働市場の好調さを示す、それなりの結果となったことを受けて下限割れ。短期下値目安1100ドル程度までの下落は見込まれる状況。指標結果次第ではオーバーラン、あるいは急反発の展開も。上方向には1150ドル台が強めの抵抗水準に。
月間ベースでは-17.3ドル(1.53%)と小幅反落。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/31 - 9/30プラチナも1.08%安で4日続落。株高の流れには連動せず、軟調推移の金に連動。株か金か、下落基調となったほうに連動する状態から抜け切れず終値では安値更新。2008年12月以来の水準となり、指標結果次第では下値メド900ドル前後の水準では下げ止まらないリスクにも警戒。
月間では-103.3ドル(10.22%)の大幅反落。

ドル円・日足チャート 2015/9/1 - 9/30ドル円は0.12%の小幅ドル高円安で3日ぶりの反発。日経平均の大幅反発に申し訳程度の連れ高で120円台前半へと反発。米9月のシカゴ購買部協会景気指数が予想外の節目50割れへと低下したことや米株の伸び悩みなどに連れて反落すると一時119円50銭台まで下落。上値も下値も堅い状態が継続するなか、この日も終値では120円台回復には届かず、下値トライ優勢の状況継続。ただしポジティブサプライズな指標に120円台後半へと急反発するような展開となれば流れは上方向へと切り返すことに。
月間ベースでは-1.34円(1.1%)で小幅続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/30終値とチャート

1日の国内金価格は0.92%安で4日続落。上向きかけていた21日移動平均線はわずかに下方向へ、9日移動平均線の上昇基調もストップし、長期サポート水準4600円台ほぼ下限水準で下方圧力も徐々に強まる状態へ。4570円台を割りこむようなら一段安で100円程度の下落幅も見込まれ、下値目安は4470円台。

プラチナ価格は0.63%の反落で今年安値更新トライへと逆戻り。安値更新で3770円台を下抜けた場合には少なくとも3700円台前半、3730円程度までの下落が見込まれる。最悪のケースとして、リスク回避的な株安円高に連れてNYプラチナも一段安となるような流れとなった場合には3500円台前半を目指すような流れとなる可能性も。逆に急反発となって3800円をしっかりと上抜けることができれば3800円後半から3900円付近までの上昇も。
※参考:金プラチナ国内価格10/1とチャート

2015年10月1日(木)時点の相場
国内金4,606 円 10/1(木) ▼43(0.92%)
国内プラチナ3,777 円 10/1(木) ▼24(0.63%)
NY金1,115.2 ドル 9/30(水) ▼11.6(1.03%)
NYプラチナ907.2 ドル 9/30(水) ▼9.9(1.08%)
ドル円119.88 円 9/30(水) ▲0.15(0.12%)

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