金プラチナ短期相場観

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保護主義の脅威にドイツIFO景況感もピークアウトへ

更新日:2018年3月23日(金)

ドイツIFO企業景況感指数 2018年3月ドイツのIFO経済研究所が発表した3月の企業景況感指数は114.7となり、昨年4月(113.3)以来11カ月ぶりの水準へと低下しました。昨年11月と今年1月に117.6の過去最高を記録した後は2カ月連続の低下となっています。
現況指数も今年1月の過去最高127.8から2カ月連続の低下で125.9となり、期待指数は7年ぶり高水準となった昨年11月の111.0から4カ月連続の低下で3月は104.4。

期待指数がピークアウトすると、その後現況指数もピークアウトし、景況感指数の低下局面がスタートする流れは2011年、2014年に続き、今年も進行し始めています。
先日のZEW景況感指数も同様の展開で3月は1年半ぶり低水準となり、この日発表されたマークイットの製造業PMIでもドイツとユーロ圏はともに3カ月連続の低下で8カ月ぶりの水準となり、フランスは1年ぶり低水準へと急減速しています。

IFO景況感指数はまだ高水準にありますが、上昇し過ぎた指数が急反落局面を迎えるのではないかという状態でもあり、欧米株の現状にも通じるものがありそうです。
IFO研究所は「保護主義の脅威はドイツ経済の雰囲気を弱めている」とコメントしています。

本日発効する米国の鉄鋼・アルミ輸入関税については、オーストラリア、韓国、アルゼンチン、ブラジルなどとともにEUも適用除外とされたものの、トランプ大統領はこの日、中国による知的財産権侵害への制裁措置として500億ドル相当の中国製品への関税賦課を命じる大統領令に署名しており、米中通商摩擦への警戒感は一段と高まってきた様子です。

EUにとっても2大貿易相手国である米中貿易戦争が勃発することになれば、好調を維持するドイツ経済も無傷では済まないことが予想されます。

NY金・日足チャート 2018/2/15 - 3/2222日のNY金相場は0.45%の続伸。前日NY時間外のFOMC直後に1330ドル台半ばまで急騰した後は伸び悩み、NY市場では1320ドル半ばまで下押し。しかし米中貿易戦争懸念の高まりからNYダウが2月初旬の2回の急落以来となる700ドル超(3%弱)の大幅下落となるなど株安、ドル安、金利低下の流れが強まり、再び1330ドルトライへと反発基調となって流れは好転。結果的には1310ドルから1330ドルまでの保ち合いレンジを抜けきれなかったものの、NY時間外では再び1330ドル台へと水準を切り上げ、高値更新再トライに向けた流れが強まる可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/2/15 - 3/22NYプラチナ相場は0.16%の小反落。時間外の960ドル台からNY市場では940ドル台半ばまで軟調推移となり、FOMC直後の急騰分を吐き出す形に。NY午後には反発基調も950ドルをはさんでの揉み合い状態にとどまり、上値の重さも露呈。貿易戦争懸念はプラチナにとってはマイナス面もあり、リスク回避の流れで反発する金に追随し切れない状態となり、金との価格差は昨年9月の377ドルを超えて378.3ドルまで拡大し、過去最大。940ドルから970ドルまでのレンジを維持し、目先は960ドルで水平状態の90日移動平均線が抵抗線に。

ドル円・日足チャート 2018/2/16 - 3/22ドル円は0.84%のドル安円高となって続落。2016年11月8日以来、1年4カ月ぶりのドル安円高水準。FOMC通過であらためて戻り売り圧力も強まり始め、米中貿易摩擦懸念による株安、金利低下のリスク回避の流れとなり、今朝の東京市場では先週伝えられていたマクマスター米大統領補佐官の解任が正式にホワイトハウスから伝えられたことなども重なり104円60銭台まで下落。結果的に106円台回復どころか105円割れとなって下値再トライ、早くも下値目安の104円台半ば辺りに到達。100円台も?との見方も増え始めてきたこと、RSIが下げ渋る逆行状態にもあることなどから目先はいったん反発の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/22終値とチャート

23日の国内金価格は0.78%安となって3日ぶりの反落。円高圧力によって底打ちからの反発の流れが抑制され、2カ月ぶりの21日移動平均線(4855)超えに失敗。流れは反発方向優勢の状態は維持し、目先は4860円と4790円が上下の節目。上抜けできれば4920円近辺まで上値余地を拡大、安値更新の場合には4750円近辺までが下値目安に。
週間ベースでは+10円(0.21%)の反発。

プラチナ価格も3日ぶりの反落で1.86%の大幅安。下落率では昨年3月3日(-2.15%)以来、1年ぶりの大幅下落となって安値再更新。米中貿易摩擦の懸念が強まり、円高圧力とともにNYプラチナの上値も押さえられる厳しい展開となり、もう一段の下げが警戒される状況に。12月安値(3421)を下回り、3410円辺りまでが目先の下値目安に。
週間ベースでは-41円(1.18%)となり、5カ月ぶりの4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格3/23とチャート

2018年3月23日(金)時点の相場
国内金4,821 円 3/23(金) ▼38(0.78%)
国内プラチナ3,439 円 3/23(金) ▼65(1.86%)
NY金1,327.4 ドル 3/22(木) ▲5.9(0.45%)
NYプラチナ949.1 ドル 3/22(木) ▼1.5(0.16%)
ドル円105.14 円 3/22(木) ▼0.89(0.84%)

3/22(木)のその他主要マーケット指標

世界同時株安再開とドル安加速でNY金は大幅高 3/24(土)

保護主義の脅威にドイツIFO景況感もピークアウトへ 3/23(金)

米ドルは高金利通貨に、利上げペースは年3回継続で3.5%まで 3/22(木)

ドイツZEW景況感指数はピークアウト後の急落局面スタートの兆し 3/21(水)

株安・ドル安・金安の流れ、FOMCが転機となるか 3/20(火)


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