金プラチナ短期相場観

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米GDP下方修正、景況感も鈍化でにわかに高まる市場の警戒感

更新日:2018年3月1日(木)

米GDP四半期推移 2017年第4四半期改定値2017年第4四半期の米GDP改定値は年率換算で前期比+2.5%。市場予想どおりながら、速報値の+2.6%からは0.1%の下方修正となり、前2四半期の+3.1%、+3.2%と続いた高水準からはやや鈍化した状態です。
2017年通年では+2.3%で2016年の+1.5%からは拡大。トランプ米大統領は年率3%を目標に掲げ、向こう10年間は3%に沿って推移するとの予想を予算教書でも示していました。3%台を達成できれば2005年(+3.3%)以来13年ぶりとなります。
税制改革と財政出動の力技で目標達成に向けて邁進することになるのでしょう。

しかし2018年序盤としては、利上げ加速懸念、金利急騰や株式市場の波乱などもあり、ややスロースタートとなることも予想されそうです。
この日発表された2月のシカゴPMIは61.9と高水準は維持しているものの、2カ月連続の低下で半年ぶりの水準へと加速基調は急ブレーキ。
これ以外でも、2月の地区連銀製造業景況指数は総じて高水準は維持しながらもNY連銀では4カ月連続の低下でピークアウトの兆しなど、強弱入り交じる結果で足並みに乱れが生じてきています。
この状況から、2月のISM製造業景況指数も50台後半の高水準を維持しながらも若干の鈍化が予想されます。

このISM製造業景況指数(の四半期平均)と米GDPの四半期推移との連動性は高く、2007年以降の相関係数は0.75台となっています。
2月、3月もISM製造業景況指数が高水準を維持できれば、第1四半期のGDPも高水準を維持する可能性も高まり、この状態が続けばトランプ政権の目標3%達成への確度も上がることになりますが、ISM製造業景況指数に減速の兆しが見られ始めたら要注意です。

NY金・日足チャート 2018/1/24 - 2/2828日のNY金相場は0.05%の小幅続落。パウエル議長証言以降の利上げペース加速への警戒感から軟調な流れを引きずりながらも1320ドルをはさんでの小動きに終始。冴えない米経済指標もあり、NYダウは連日の300ドル前後の大幅続落、米10年債利回りは2.9%を割れての反落、ユーロドルはダブルトップのネックラインを割れてドル高ユーロ安加速の気配。ドル高基調でドルインデックスは1カ月ぶりの水準を回復し、ドルに対しては円高のリスク回避的な流れに。強弱材料混在で方向感喪失気味のNY金は12月安値から1月高値までの38.2%戻し(1316.8)近辺で下げ渋る状態。重要なサポート水準1310ドルを割れるとダブルトップ完成でユーロドルに追随する形での大幅安も警戒され、イタリア総選挙などユーロ圏政局動向や株安再開などを含めて市場の警戒感が強まるようなら反発方向へ。米PCEインフレ指標やISM製造業景況指数などの動向にも左右されそうな、不安定な局面に。
月間ベースでは-25.2ドル(1.88%)で反落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/24 - 2/28NYプラチナ相場は0.36%の小幅反発。金に連れての低調な値動きとなりNY市場でつけた高値でも1000ドルに届かず、大台ラインが抵抗線となる可能性が継続し、安値では一時2週間ぶりの980ドル割れ。960ドルから1010ドル台までの大枠内で980-1000ドルへとレンジ縮小の様相で保ち合い傾向の展開に。
月間ベースでは-16.2ドル(1.61%)の反落。

ドル円・日足チャート 2018/1/25 - 2/28ドル円は0.61%のドル安円高となって4日ぶりの反落。東京市場から軟調推移の展開となり、欧州・NY時間にかけては107円ラインでの攻防。米経済指標が軒並み低調となり、月末のロンドン市場引けにかけての売りで106円台半ばへと急落。今朝の東京市場にかけて株安基調も続き、106円台半ばで膠着状態に。下げ止まりの兆しもあった流れは巻き戻され、またしても106円台で下値警戒感も再燃。106円台前半へと水準を切り下げるようだとドル安円高の勢いが強まる可能性もあり、105円半ばの安値更新をかけた攻防にも。インフレ指標上昇などポジティブな結果をトリガに107円台後半へと反発できれば109円台を目指す流れにも。
月間では-2.51円(2.3%)で続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/28終値とチャート

1日の国内金価格は0.76%の続落。昨年8月24日(4840)以来半年ぶりの安値水準となり、下値目安4850円近辺にも到達。水準的には12月安値(4858)を下回り、8月までの保ち合い水準にも到達しており、サポートも期待される水準。ただしNY金が重要な節目を割れて一段安の展開となった場合には、これに追随する展開となり、8月までの保ち合い下限付近、4700円台半ば辺りまでが下値警戒水準にも。下げ止まりと反発方向へは4900円台回復が目安に。

プラチナ価格は0.88%の大幅続落。年末以来2カ月ぶりの安値水準となり、下値目安3600円近辺にほぼ到達。やや不安定な市場全体の動向から下値警戒感が強まるようだと3500円台半ば辺りまでが次の目安水準にも。反発方向には3700円ラインが当面の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ国内価格3/1とチャート

2018年3月1日(木)時点の相場
国内金4,842 円 3/1(木) ▼37(0.76%)
国内プラチナ3,609 円 3/1(木) ▼32(0.88%)
NY金1,317.9 ドル 2/28(水) ▼0.7(0.05%)
NYプラチナ988.1 ドル 2/28(水) ▲3.5(0.36%)
ドル円106.67 円 2/28(水) ▼0.66(0.61%)

2/28(水)のその他主要マーケット指標

コアPCEインフレは前年比+1.5%で4カ月連続横ばい推移 3/2(金)

米GDP下方修正、景況感も鈍化でにわかに高まる市場の警戒感 3/1(木)

パウエル議長+消費者信頼感指数=タカ派・・・利上げ年4回? 2/28(水)

ダラス連銀製造業活動指数は12年ぶり、賃金も11年ぶり高水準 2/27(火)

国内金価格は中長期トレンド逆転回避をかけた攻防に 2/26(月)


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