金プラチナ短期相場観
世界の中銀金保有量、ロシアは中国を抜いて6位に浮上
更新日:2018年3月15日(木)
ロシア中銀の金保有量は今年1月末時点で1857トンに達し、1842トンで横ばい状態が続く中国を抜いて世界6位の金保有大国となっています。
およそ5年前には1000トンに満たず、スイス(1040トン)に次いで世界8位でしたが、そこからコンスタントに買い増しを続けています。中国の公表値は低過ぎるのではないか、との見方もあるようですが現状ペースでロシアの金買いが続けば、その差は拡大の一途となりそうです。
なお、世界5位のフランスは2436トン保有しています。ロシアの2017年の月間平均増減量+18.6トンのペースで買い増しが続けば、およそ2年半後にはフランスを抜いて世界5位へと浮上することになりそうです。
最近ロシアに次いで金の増加量が多いのはトルコで、今年1月末時点での保有量は582.2トンで世界11位。2016年には大幅に売り越しとなっていましたが、2017年には買い越しが続き、2017年の月間平均増減量は+15.6トン。今後もこのペースで増加し続けた場合、今年春には10位のオランダ(612.5トン)を追い抜き、1年後には日本(765.2トン)も抜いてトルコは世界9位の金保有大国となる可能性もあります。
14日のNY金相場は0.11%の小幅反落。時間外に1330ドルにワンタッチした後は1320ドル台での小動きに終始。米2月小売売上高が3カ月連続で前月比マイナスと低調な結果となった場面での一時的な急騰でも1330ドルには届かず、この日の値幅は8.8ドルと半月ぶりの小動き。引き続き1320ドルから1340ドルまでのレンジで保ち合い、ブレイク待ちの状態に。今月辞任したコーン氏の後任として国家経済会議(NEC)次期委員長に指名されたラリー・クドロー氏は自由貿易主義者でありながら対中貿易に関しては関税導入を検討しているトランプ大統領と同様に強硬的な考え方を持つとされ、貿易戦争へのヒートアップも懸念される一方、トランプ大統領の強いドルを支持し、「私はドルを買い、金を売るだろう」との発言も伝えられていることなども市場の警戒感を高めつつ、金の上値も重くする要因の一つに。
NYプラチナ相場は0.6%の反落。NY朝には1週間ぶり高値圏となる975ドル付近まで上昇も、これを維持出来ずに960ドル付近まで反落。970ドル台では上値が重く、下値も960ドルラインが徐々に固まりつつある様子も。不安定な政治リスクと次週FOMCへの警戒感を抱きながらの小幅保ち合いが長引けば、ブレイク後の振れ幅も拡大する可能性も。現状では上方向へのブレイクなら大台再トライへ、下方向に950ドル割れなら今年安値更新へ。
ドル円は0.24%のドル安円高。106円70銭台が東京・欧州時間の上限となり、106円台半ばでの揉み合い推移から、NY市場では米株大幅安の展開にも連れる形で一時106円近辺まで下落。米ペンシルベニア州下院補欠選挙では正式結果は未発表ながら民主党が勝利宣言し、トランプ政権の今後の運営と中間選挙に向けての不安感と先行き不透明感などもリスク要因となり、米10年債利回りも半月ぶりの水準となる2.81%台まで低下。日本の政局不安も合わせてドル円の上値は重く、今朝の東京市場では106円割れ。日足では三角保ち合いを下方ブレイクに向けて動き出したようにも見える状況に。目先105円半ばの節目を割り込むようだと104円台半ばまでが次の下値目安に。107円台を回復できれば108円近辺までの反発も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/14終値とチャート
15日の国内金価格は0.45%の反落で1週間ぶりの安値水準。9日移動平均線(4851)を再び下抜けて三角保ち合いからも下方ブレイク。可能性としては大幅安の展開を示唆し、当面の下値目標水準は4750円前後まで。反発方向優勢の流れのなかでの一時的な下振れに過ぎない可能性も残され、4870円超へと切り返す展開となった場合には大幅反発へも。
プラチナ価格は0.87%の反落。地合い回復へと向かっていた流れがストップし、小幅保ち合いからの下方ブレイクで一段安の可能性が高まる状況に。3550円が当面の上値抵抗水準となり、下値目安は今年安値を更新し、3460円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格3/15とチャート
- 2018年3月15日(木)時点の相場
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国内金 : 4,843 円 3/15(木) ▼22(0.45%) 国内プラチナ : 3,519 円 3/15(木) ▼31(0.87%) NY金 : 1,325.6 ドル 3/14(水) ▼1.5(0.11%) NYプラチナ : 961.5 ドル 3/14(水) ▼5.8(0.60%) ドル円 : 106.32 円 3/14(水) ▼0.25(0.24%)
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