金プラチナ短期相場観

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ADP雇用回復ノルマは残り700万割れ、最速来春にも100%回復へ

更新日:2021年7月1日(木)

コロナ後の米雇用回復状況 NFP×ADP 2021年6月ADPが発表した6月の民間雇用者数は前月比+69.2万人。市場予想の+60万人程度を上回りました。過去2カ月分は下方修正されたものの、3ヵ月平均の推移で見るとコロナ後の回復フェーズにおいては今年2月の前月比+10万人がボトムとなり、それ以降は4ヵ月連続の増加で5月には前月比+67.6万人、6月には+73.3万人。

全米での事業活動再開を背景に、サービス業の回復が全体を押し上げ、米国の雇用回復ペースは着実に加速傾向となっています。
ADP雇用者数ベースでコロナ後の推移を見ると、2020年4月の最悪期には1959万人の雇用が失われましたが、秋には1000万人まで縮小。若干の停滞期をはさんで今年春から加速、6月時点での雇用回復ノルマは残り700万人を割り込み、681.3万人まで縮小してきました。回復率では65.2%に達しています。

残り680万人の雇用を回復し、回復率100%に到達するためには、
現状の3ヵ月平均、前月比+70万人程度のペースが今後も続いた場合、
680万/70万=10ヵ月・・・100%回復は2022年4月にも可能となります。

回復ペースが月間+50万人程度まで鈍化した場合でも、あと14ヵ月・・・2022年8月には、ADPベースで失われた雇用を100%取り戻すことが可能となります。
順調に行けば、来年後半には金融政策正常化に向けて大きな動きが見られる可能性は否定できません。

NY金・日足チャート 2021/5/26 - 6/3030日のNY金相場は+8.0ドル、0.45%の反発。時間外は1760ドル台から1750ドル台へと小幅に軟調推移、それでも前日安値を下回らずロンドン市場では1750ドル台半ばで下げ渋るとNY市場では徐々に買い戻しの流れへ。ADP雇用の好結果を受けてのドル高の流れで一時的には売られる場面もあったものの、米10年債利回りが低下傾向となったことを受けて1770ドル台まで上昇。NY午後には米10年債利回りの反発もあり、1770ドル付近に収束。米労働市場の回復基調加速の兆しを受けてのドル高の流れと、それほどでもないといった債券市場の反応との板挟みで金市場は下げ渋りも上値も限定的。短期下値目安1740ドル台に対しては前日の1750ドルまででいったん折返し、目先は1760ドルから1790ドルまでの保ち合いレンジを形成し、あらためて雇用統計待ちへ。1760ドル割れ再トライとなればあらためて1740ドル台までが下値目安に、徐々に遠くなりつつもある上限超えなら1820ドルを目標に反発局面形成へ。
月間では-133.7ドル、7.02%の大幅安で3ヵ月ぶりの反落、5月の上昇分をほぼ帳消し。下落率では2016年11月(-102.3ドル、8.04%)以来、4年7ヵ月ぶり。下げ幅では2013年6月(-168.9ドル、12.13%)以来、8年ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2021/5/26 - 6/30NYプラチナは+2.3ドル、0.21%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外は金に連れて1070ドル台前半からの戻り売り、ロンドン朝には前日安値1060ドルに到達、これを割り込むと一時1050ドル割れへと小幅に急落。しかしサポート候補1040ドル手前では下げ渋る形となり、NY朝には金の反発局面に追随、NY午後には1070ドルを回復し、高値では1075ドルまで上昇。ただしNY引け後には1070ドル割れ。上値は200日移動平均線(1083.8)が目先の抵抗線候補となり、その上には1100-1110ドルが抵抗帯となって上値にのしかかる状態に。下値は1060ドルが軽めのサポート候補となり、1050-40ドルが比較的しっかりとしたサポート候補にも。これを割り込んでしまうと6月安値1020ドル再トライへ。
月間では-109.5ドル、9.26%の続落。昨年3月(-134.8ドル、15.59%)以来1年3ヵ月ぶりの急落。

ドル円・日足チャート 2021/5/27 - 6/30ドル円は57銭のドル高円安、0.52%高となって5日ぶりの反発。昨年3月25日(111.15)以来、1年3ヵ月ぶりの高値水準。欧州時間までは110円50銭を挟んでの小幅揉み合いに終始、膠着状態を抜け出したきっかけはNY朝のADP雇用の好結果。その後の5月住宅販売保留指数の好結果もあり、ドル高の流れに株高と円安基調も加わって一段高、111円台まで上昇すると今朝の東京市場にかけても111円台を維持して111円10銭近辺での横ばい推移。節目の111円ラインを上抜けたことで、流れとしては上値トライ再開へ。雇用統計が予想外に低調となるなどネガティブ指標がなければ上値を試す流れは続きやすく、昨年高値112円20銭台辺りまでが当面の上値目標に。
月間では+1円55銭、1.41%の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/30終値とチャート

1日の国内金価格は+65円、0.95%高で3日ぶりの反発。短期下値目安6800円近辺に対しては前日の6829円までにとどまっていったん折返し。前日の下げ幅をほぼ取り戻す形となり、2ヵ月半ぶりに下抜けた90日移動平均線(6842)を2日ぶりに上抜け。ただし9日移動平均線(6899)に上値を押さえられる形となり、6820円台から6940円の上限までの保ち合いレンジを形成。雇用統計後に反発基調スタートか下落基調再開か、という展開にも。軟調推移となった場合でも下限を維持できれば保ち合い継続の展開も、維持できなければ一段安へ、4月後半保ち合い水準6750円近辺までが下値目安に。反発基調スタートとなれば7000円の大台トライへ。

プラチナ価格は-11円、0.26%安で3日続落。9日移動平均線(4191)下抜けに伴う弱気のパーフェクトオーダー再開でさらにもう一段の小幅安、という状態。6月安値から28日までの上昇幅の半値戻し(4178)達成でさらにもう一段の小幅安で61.8%戻し(4144)にジワリ接近中。61.8%未達で下げ渋る状態が続けば、徐々に下押し圧力緩和状態へと向かう可能性も。その為には半値戻し(4178)回復と9日線上抜けが目先のポイントにも。
※参考:金プラチナ国内価格7/1とチャート

2021年7月1日(木)時点の相場
国内金6,894 円 7/1(木) ▲65(0.95%)
国内プラチナ4,154 円 7/1(木) ▼11(0.26%)
NY金1,771.6 ドル 6/30(水) ▲8.0(0.45%)
NYプラチナ1,072.9 ドル 6/30(水) ▲2.3(0.21%)
ドル円111.11 円 6/30(水) ▲0.57(0.52%)

6/30(水)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏製造業PMI、6月まで4ヵ月連続で過去最高を更新 7/2(金)

ADP雇用回復ノルマは残り700万割れ、最速来春にも100%回復へ 7/1(木)

ユーロ圏全域で加速、景況感指数6月は21年ぶり高水準 6/30(水)

地区連銀製造業景況感、6月は失速も雇用見通しは好調 6/29(火)

月末、四半期末、半期末の金・プラチナ価格の攻防ライン 6/28(月)


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