金プラチナ短期相場観
物価目標2%達成に向けて買い入れ規模や対象は不十分
更新日:2013年3月4日(月)
次期日銀総裁候補の黒田氏が衆院で所信表明を行いました。15年間もデフレが続いているのは異例、日本のデフレ脱却はアジアや世界にとっても重要、とした上で、2%の物価目標の宣言は極めて画期的であり、目標を一日でも早く実現することが重要な使命であること、目標達成は可能であり、2年での達成を目指すこと、また、現状の資産買い入れ規模や対象では不十分であることなどを述べました。
通常、これまで他の主要国のインフレターゲットでは、上昇傾向のインフレ率を低下させる為の目標として設定され、金融引き締め、金利引き上げなどの政策がとられてきました。しかし、先進国で唯一デフレで苦しむ日本にとっては、インフレ率を上昇させなくてはならない状況。
インフレを抑えるのではなく、ある程度助長させなくてはならない、という意味では世界初の画期的な試み。
ご本人の強い意思だけでなく、周囲の評価、予想でも2~3年での目標達成は可能、と見る向きも多いようです。
まずは4月4日の日銀金融政策決定会合での長期債買い入れや買い入れ基金規模の即日拡大、などが予想されます。
そして日銀のマネタリーベースもさらに拡大傾向へ、と推移していくことになりそうです。
週明け国内、金は1.2%の大幅反発で4,900円台半ばまで持ち直し。週末のドル円大幅反発にサポートされた形。しかしドル円も力強い上昇トレンドを終えて2月以降はレンジ相場の状況。一方的なサポートは期待薄。4,820円付近への下落リスクは継続。上値抵抗線は4,980円。
プラチナも1.5%の大幅反発で2月中旬以降続いた一方的な下落トレンドがようやく一服。4,900円の大台割れからの反発となり、このラインが重要な節目となった可能性も。しかし、ここで下げ止まりかどうかはまだ微妙な状況。
※参考:金プラチナ国内価格3/4とチャート
- 2013年3月4日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,945 円 3/4(月) ▲60(1.23%) 国内プラチナ : 4,966 円 3/4(月) ▲71(1.45%) NY金 : 1,572.3 ドル 3/1(金) ▼5.8(0.37%) NYプラチナ : 1,573.5 ドル 3/1(金) ▼10.0(0.63%) ドル円 : 93.56 円 3/1(金) ▲1.01(1.09%)
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