金プラチナ短期相場観
政府機関が復活しても遠ざかる米経済の復活
更新日:2013年10月18日(金)
とりあえずの危機回避に向けた米議会の暫定合意は歓迎すべきことでしょう。政府機関の通常体制が復活し、延期された経済指標の発表予定も決まり、市場の注目も危機回避への動向から米経済復活に向けた動向へ、と半月前の状態に戻りつつあります。しかし、その肝心の米国の経済動向は、半月間の議会混迷にも足を引っ張られ、半月前の状態から仕切り直し、と単純にはいかないようです。
8月まで順調に改善傾向が進んでいた新規失業保険申請件数も9月に入ってやや停滞、10月前半にかけては悪化傾向。来週22日発表予定となった9月分の雇用統計、1週間先延ばしで11月8日発表予定となった10月分の雇用統計にも好影響は期待できそうにありません。
QE縮小開始時期も、10月末のFOMCはおろか、年末も、さらには年明け早々も難しいのでは、という見方も増えつつあるようです。
QE縮小への思惑からのドル高傾向もすっかり影を潜め、危機回避でいったんドル高、との予想も裏切られる展開で、逆にQE継続観測により金が大きく買われています。円安株高の流れも変わりつつあり、これまで連動性が高かった日経平均とドル円との相関性は低下し、日経平均はNYダウとの連動性を高めています。
政府機関は元どおり復活しても、米国経済復活に向けた流れは少し逆戻りとなっているようです。
NY市場、金相場は40.7ドル、3.17%の大幅続伸で10月8日以来となる1,320ドル台へ。中国の格付け会社による米国の格下げで、主要格付け会社による格下げリスクへの懸念台頭や、QE当面継続への思惑などを背景に強気の展開。しかし、レジスタンスラインの1,330ドル手前は減速しやすい水準。上方向への節目1,330ドルをクリアできるようなら1,400ドルの大台超えへの可能性が。クリアできない現状では1,230ドル台の下値目標継続。
プラチナも2.62%の大幅続伸。何度もトライしていた1,400ドルのレジスタンスをクリアしたことで一気に9月20日以来の1,430ドル台へ。下方向へのリスクはいったん消滅し、上値トライの流れ。当面の上値目標として1,480ドル台辺りを目指す展開へ。
ドル円は0.87%の反落。材料出尽くしから円高方向への流れとなり、一時97円70銭台まで下落。98円台前半を中心とした狭いレンジで上下に振れる展開。ドル安圧力が高まりつつあり、目先は96円台後半までの下落リスクも浮上。上方向のレジスタンスは98円80銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円10/17 NY市場終値とチャート
国内、金価格は1.46%上昇で3日続伸。永らく抵抗線となっていた9日移動平均線と4,300円の節目を超え、短期トレンドも上方向へ。当面の目標値は4,420円近辺。
週間ベースでは77円、1.81%上昇し、4週間ぶりの反発。
プラチナは0.58%の上昇で3日続伸、4,670円前後の目標水準に到達。
週間では+112円(+2.46%)、2週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格10/18とチャート
- 2013年10月18日(金)時点の相場
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国内金 : 4,321 円 10/18(金) ▲62(1.46%) 国内プラチナ : 4,668 円 10/18(金) ▲27(0.58%) NY金 : 1,323.0 ドル 10/17(木) ▲40.7(3.17%) NYプラチナ : 1,434.9 ドル 10/17(木) ▲36.7(2.62%) ドル円 : 97.90 円 10/17(木) ▼0.86(0.87%)
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