金プラチナ短期相場観
急速に連動し始めた日米金利差とドル円相場
更新日:2013年10月19日(土)
今年5月のバーナンキFRB議長の発言以降、年内テーパリング開始観測により、近い将来の金融政策転換での政策金利引き上げ、インフレ率の上昇見通しへの思惑が強まったことを背景に、米国の10年債金利は急上昇を続けました。そして9月5日には3%寸前まで上昇し、テーパリング先送りとともに反落。政府機関のシャットダウンと債務上限引き上げ問題収束への思惑とともに10月上旬には少し上昇。15日の2.72%台で再び反落傾向となっています。
日本の10年債金利は、4月の日銀緩和直後の乱高下の時期、5月29日の0.93%台をピークに下落傾向が続きます。
日米の10年債金利の差とドル円相場の関係は、連動しやすい、相関性が高くなる場合が多いとされますが、このところ、日米の金融政策による影響により相関性が薄れる時期もありました。
現時点での日米10年債金利差とドル円相場のチャートを比較すると、やや変化の兆しが見られます。この間、90日間を対象に算出した相関係数では-0.045台と一見、相関性は見られませんが、直近30日間を対象に相関係数を算出してみると、
8月末時点では-0.23台、9月末時点では0.60台、そして10月18日時点では0.75台へとかなり強めの相関関係を示す数値へと推移しています。
日本の10年債金利は、日銀緩和の影響で低金利安定状態が継続中で、当面は今の状態が継続しそうな状況です。
今回の半月間の政府機関シャットダウンの影響もあり、経済成長鈍化によるテーパリング先送り観測が以前よりも拡大、開始時期は来年3月という見方も出てきている状況からすると、米国の10年債金利も当面、上値は押さえられそうな状況です。
日米の金利の連動性が高まり、日米金利差が拡大しない状況が当面継続することになれば、ドル円相場の上値も当面限定的、という予想も成り立ちそうです。
NY市場、金相場は0.63%の反落。高値では1,328ドルまで上昇して反落。前日3%超の大幅上昇となった勢いもレジスタンスラインの1,330ドルで押さえられた形。しかし、下げ幅は限定的で短期トレンドも好転。1,300ドルの大台ラインをキープできるかどうかがポイント。キープできれば1,330ドルの節目再トライへ。下方向には1,260ドル台がサポートラインに。
週間ベースでは+46.4ドル(+3.66%)の大幅上昇で3週間ぶりの反発。
プラチナは0.2%上昇で3日続伸。一時1,446ドルまで上昇し、買い圧力の強さを示す展開で約1ヶ月ぶりに90日移動平均線も上抜け、上値目標1,480ドル台を目指す上昇トレンドが継続。サポートラインは1,370ドル台、手前には1,420ドル付近、1,400ドルの大台ラインもサポートされやすい水準。
週間ベースでは+62.2ドル(+4.52%)の大幅上昇となり、8週間ぶりの反発。
ドル円は0.11%の続落。イベント終了後の小動きのなか、小幅ながらも米ドル全面安の流れ。主要通貨に対してドルが売られ、ドル円も一時97円50銭台まで円高が進行。96円台後半までの下落リスクは抱えつつも、一方的なドル安円高の流れでもなく、むしろドル高圧力のほうがまだ強い状態。上方向98円80銭の節目との間での小動きが続きそうな状況。
週間では-79銭(-0.8%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円10/18 NY市場終値とチャート
- 2013年10月19日(土)時点の相場
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国内金 : 4,321 円 10/18(金) ▲62(1.46%) 国内プラチナ : 4,668 円 10/18(金) ▲27(0.58%) NY金 : 1,314.6 ドル 10/18(金) ▼8.4(0.63%) NYプラチナ : 1,437.8 ドル 10/18(金) ▲2.9(0.20%) ドル円 : 97.79 円 10/18(金) ▼0.11(0.11%)
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