金プラチナ短期相場観
プラチナ急騰、価格差急縮小でプラチナと価格差との逆転解消
更新日:2020年11月20日(金)
NY金とNYプラチナとの価格差は今週火曜日、17日時点では948ドル。NYプラチナの価格は937.1ドル。プラチナ価格は金との価格差(以降、価格差)を下回っていました。これが18日には価格差923ドル、NYプラチナは950.9ドル。NYプラチナ価格が価格差を上回るのは7月28日以来、3ヵ月半ぶりのこと。19日には価格差910ドル、プラチナ951.5ドルでその差は前日の27.9ドルから41.5ドルへと拡大。
今年3月のコロナショックでNYプラチナは急落し、価格差は急騰。初めて価格差がプラチナ価格を上回る「逆転状態」となりました。
最大では3月23日の312.6ドル(価格差940.1ドル、プラチナ627.5ドル)。
なお、純粋に価格差が最大となったのは7月31日の1067ドル。NY金が2069.4ドルとなり、プラチナが1025.6ドルだった日。
プラチナの今年安値は3月19日の596.8ドル。この日の価格差は882.5ドル。
3月以降は、ほぼ価格差とプラチナとの逆転状態が続き、一時的に解消したのは5月末と7月末のわずかな期間のみ。9月15日にはその差1.8ドルまで急接近も、逆転解消には至らず再び急拡大となっていました。
カーボンニュートラルに向けて水素エネルギーが注目され始め、燃料電池車の触媒として使われるプラチナの需要が今後ある程度高まることも予想されるものの、これまで何度も期待を裏切られ、プラチナ価格は急騰局面形成後には必ず急反落を繰り返してきました。
プラチナと価格差との逆転解消がどこまで続くのか、注目されます。
19日のNY金相場は-12.4ドル、0.66%安となって3日続落。3日続落は9月23日以来2ヵ月ぶり。この時は1960ドル台からの急落で3日後には1860ドル台。今回は1880ドル台からの3日続落で1860ドル台。1日で100ドル弱の急落で1850ドル台(安値では1848)まで水準を切り下げた11月9日を頂点に逆ヘッド・アンド・ショルダーを形成(する可能性)。この日は米ファイザー、モデルナに続き英アストラゼネカもオックスフォード大学との共同開発ワクチンが高齢者に強い免疫反応を示したことが伝えられ、最終段階での好結果も期待されるワクチン相場持続ムードも。その一方で感染者数の拡大は止まらず、日本国内でも1日あたり2千人超で過去最多を更新し続け、累計では12万人超。米国では日本の累計を超える16万人超が新規感染者数となって累計では1160万人超。カリフォルニア州では夜間外出制限など行動規制もあちこちで再開。それでもNY金の調整局面は継続、ドル高の流れに押されて時間外の1870ドル台からNY朝にかけて1850ドルまで下落。しかしこの水準では底堅く、ドル高の巻き戻しや新規失業保険申請件数の増加などもあり、NY午後には1860ドル台を回復。下値サポート1860ドルを割り込んで逆ヘッド・アンド・ショルダー崩れとなれば、7月前半高値1830ドル近辺が下値目安に。
NYプラチナは+0.6ドル、0.06%の小幅高となって6日続伸。6日続伸は今年初、昨年11月以来1年ぶり。水準としては9月16日(973.5)以来2ヵ月ぶり高値圏、短期上値目標940ドル到達後の多少のオーバーランで一服状態。時間外には金に連れての調整局面でも950ドル付近から940ドル割れへと小幅下落にとどまり、ロンドン・NY市場にかけてはもみ合いながらも960ドル手前まで反発。前日高値を超えられず、960ドルラインに抵抗感も。8月高値から9月安値までの61.8%戻し(953.7)付近に位置し、960ドルを超えると76.4%戻し(984.9)から9月高値(989.5)辺りまでが意識され、調整目安としては50%戻し(928.4)となる930ドル近辺も。
ドル円はわずかにドル安円高、0.02%安となって6日続落。6日続落は7月以来、4ヵ月ぶりで今年4度め。水準としては11月6日(103.36)以来2週間ぶり安値圏、11月6日安値103円10銭台から11日高値105円60銭台までの76.4%戻し(103.77)で落ち着き始めた様子も。東京時間には104円ラインに上値を押さえられて軟調推移、東京の新規感染者数500人超なども嫌気されて103円70銭台まで下落、しかし76.4%戻し付近で下支えされると欧州時間にかけては株安とユーロ安ドル高の流れに連れ、ドル高円安の流れが強まって104円20銭台まで上昇。この水準ではまだ上値も重く、株高ドル安へと反転した流れにも連れて戻り売り。ただし下値はまたも103円70銭台まで。この水準は3月安値から高値までの76.4%戻しにも相当し、強めのサポートとなる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/19終値とチャート
20日の国内金価格は-40円、0.59%安で3日続落。7月13日(6756)以来4ヵ月ぶりの安値となり、11月9日以降の下落局面からN計算値で算出され、7月後半の急騰前の保ち合い水準でもある6780円台に到達。NY金がサポートを維持できれば下げ止まりへ、できない場合にはさらに水準を切り下げる展開にも。後者の場合の下値警戒水準として、NY金が1830ドルまで下げた場合の想定価格は6700円程度。上昇を続ける200日移動平均線は目先6670円台から6690円台へ、3月安値から8月最高値までの半値戻しとなれば6662円、など。
週間ベースでは-136円、1.96%の続落。
プラチナ価格は+33円、0.98%の続伸。金との逆行状態は続き、節目の3360円台上抜けに伴う短期上値目標3400円台に到達し、9月18日(3461)以来2ヵ月ぶりの高値水準に。さらなる行き過ぎ警戒水準としては、8月末保ち合い水準、8月高値から11月安値までの61.8%戻し(3441)辺りまで。急反落となって3340円台の下値サポートを割れると10月末高値水準3280円台までが下値目安。
8月5日に最大4052円まで拡大していた金との価格差は3380円、6月10日(3313)以来5ヵ月ぶりの水準まで急縮小。
週間ベースでは+178円、5.51%の大幅高で3週続伸。8月3日からの週(+328円、9.86%)以来3ヵ月半ぶりの急騰。
※参考:金プラチナ国内価格11/20とチャート
- 2020年11月20日(金)時点の相場
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国内金 : 6,787 円 11/20(金) ▼40(0.59%) 国内プラチナ : 3,407 円 11/20(金) ▲33(0.98%) NY金 : 1,861.5 ドル 11/19(木) ▼12.4(0.66%) NYプラチナ : 951.5 ドル 11/19(木) ▲0.6(0.06%) ドル円 : 103.77 円 11/19(木) ▼0.02(0.02%)
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