金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

住宅着工件数15年ぶり高水準、米10年債利回り2.9%台、

更新日:2022年4月20日(水)

米住宅着工件数・建設許可件数 2022年3月ドル円も128円台後半へと高値更新トライへ、今朝の東京市場では129円台へ。
きっかけさえあれば、米長期金利上昇とドル高円安の流れはいつまでも続くかのように錯覚してしまいそうな状況にも。
米商務省が発表した3月の住宅着工件数は179.3万戸。市場予想の174万戸を上回り、2月の178.8万戸からは0.28%の小幅増。2006年6月(180.2)以来、15年9ヵ月ぶりの高水準。
先行指標となる着工許可件数も前月から0.43%増で187.3万戸。2006年5月(190.5)以来15年8ヵ月ぶり高水準となった1月(189.5)以来の高水準、15年余りでは最高水準付近での高止まり。
指標発表後には、長期金利上昇とドル高の流れが強まりました。

米国債利回り急騰の煽りを受けて30年物の住宅ローン固定金利が10年ぶり高水準となる5%超となる逆境下で、前日発表されたNAHB住宅市場指数が4ヵ月連続の低下で7ヵ月ぶり低水準という住宅市場の景況感悪化が顕著となり始めていた状況にも反して、想定外の好結果。

この日IMFが発表した世界経済見通しでも、ロシアのウクライナ侵攻を受けて世界経済の2022年成長見通しが1月時点の4.4%から3.6%へと0.8%引き下げられ、英国は1.0%引き下げて3.7%、ユーロ圏は1.1%引き下げて2.8%、ドイツに至っては1.7%引き下げて2.1%。日本でも0.9%引き下げて2.4%、インドでも0.8%引き下げて8.2%、中国でも0.4%引き下げて4.4%という状況のなか、米国は0.3%引き下げの3.7%。主要国、地域のなかでは引き下げ幅が最小レベルにとどまる米国の力強さが際立つ結果にもなったようです。

それでも、インフレも景気も、長期金利の水準もドル高水準も、ドル円の水準もそろそろピークアウトを警戒すべき水準に差し掛かってきているかもしれません。

NY金・日足チャート 2022/3/15 - 4/1919日のNY金相場は-27.4ドル、1.38%の大幅反落。下げ幅としては今年の絶対値平均15.9ドルの1.7倍超、今年7番めの大幅安となって4月11日(1948.2)以来、1週間ぶりの安値。短期上値目標2000ドルの大台超えを前日NY朝に達成したことに伴う失速感は払拭し切れず。1980ドルをはさんでの小幅保ち合いとなって下げ渋ったのもNY朝まで。米3月住宅着工件数が予想外の好結果となったことを受けて米10年債利回りが3年4ヵ月ぶり高値となる2.9%台へと一段高、ドル高も強まった流れにも押される形で急反落。1980ドルを割れると1970ドル割れへ、NY午後には1960ドル割れへと一段安。NY引け後には一時1940ドル台半ばまで下げて1950ドル近辺まで小反発。1970ドルの下値サポート割れに伴う調整目安1950ドル近辺にもしっかり到達し、20日移動平均線(1947.4)にサポートされた格好にも。上値トライ一服後の下値トライも一服となりやすく、目先は1990ドルまでを上限に保ち合い形成にも。下方向へ行き過ぎた場合のサポート目安は1930ドル近辺、上限突破の場合には2020ドル近辺までが上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2022/3/15 - 4/19NYプラチナは-31.8ドル、3.12%安となって4日ぶりの反落。下げ幅は今年の絶対値平均16.7ドルの1.9倍、今年5番目めの大幅安で4月12日(972.4)以来、1週間ぶりの安値。アジア時間とロンドン時間には上値トライ継続の兆しも前日高値をわずかに上回ったところで2度上値を抑えられて失速。短期上値目標1050ドル近辺に対しては1026.4ドルまでに留まり、NY市場では金の急反落にも追随する形に。1020ドルを割れると1000ドルの大台割れへと一段安、安値では980ドル付近まで下げてNY午後には990ドル付近まで戻して下げ渋り。1000ドルの大台と90日移動平均線(1008.8)、200日移動平均線(1012.9)などの節目超えはわずか1日で巻き戻され、目先は20日移動平均線(991.8)との攻防に。

ドル円・日足チャート 2022/3/16 - 4/19ドル円は190銭のドル高円安、1.5%高で13日続伸。13日続伸は少なくとも2005年以降の17年余りでは最長。水準としては2002年4月24日(129.6)以来20年ぶりのドル高円安。上げ幅としては今年の絶対値平均43銭の4倍以上、2020年11月9日(+1.97円、1.91%)以来1年5ヵ月ぶりの急騰。東京朝の126円90銭台がこの日の安値となって堅調推移、鈴木財務相の円安牽制発言もスルーして東京市場終了までに127円台もスルー。128円30銭台まで上昇後には一時127円70銭台までの押し目を挟んで欧州時間には128円40銭台へと上昇。NY市場では128円付近までの押し目を挟んで住宅着工件数の上ブレ後には128円90銭台へと一段高。今朝の東京市場スタート直後には129円40銭台まで急騰、閑散時間を狙った仕掛け的な動きが増えてきた様子も。それでも130円の節目がいよいよ短期的にも射程圏内に。128円程度までの調整はいつでも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/19終値とチャート

20日の国内金価格は+2円、0.02%高となって12日続伸。12日続伸は2017年12月から2018年1月にかけて以来、4年3ヵ月ぶり。9営業日連続、今年20回めの過去最高値更新。RSIは96.1へと小幅に低下もMAXレベルで推移、モメンタムは前日の533から529へと小幅低下、依然3月9日の612を大きく下回る逆行状態。確率的には反落の可能性が高まる状態が継続。想定可能な短期上値目安は引き続き3月前半の上昇値幅1055円を3月半ばの押し目に加算するN計算値9043円近辺まで。調整目安としては3月末からここまでの上昇値幅601円の23.6%戻し(8718)近辺。

プラチナ価格は-58円、1.29%安で5日ぶりの反落。3月末高値4350円近辺を短期上値目標とした流れがオーバーラン後も続いてようやく一服。4500円が当面の上限となって調整局面がもう一段続くようなら9日移動平均線(4332)辺りがサポート候補にも。上限突破で上値再トライへと向かえばダブルボトムからの上値目標4600円程度が意識される展開へ。
※参考:金プラチナ国内価格4/20とチャート

2022年4月20日(水)時点の相場
国内金8,860 円 4/20(水) ▲2(0.02%)
国内プラチナ4,441 円 4/20(水) ▼58(1.29%)
NY金1,959.0 ドル 4/19(火) ▼27.4(1.38%)
NYプラチナ988.7 ドル 4/19(火) ▼31.8(3.12%)
ドル円128.89 円 4/19(火) ▲1.90(1.50%)

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