金プラチナ短期相場観

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賃金上昇格差は近年最大、ゼロ賃金は最低水準でインフレ圧力

更新日:2022年4月12日(火)

ゼロ賃金の割合と賃金上昇率 2022年3月NY連銀が発表した3月の消費者調査では、1年先のインフレ予想値は6.58%。2月の6.00%から一段高となって2ヵ月連続の過去最高。3年先のインフレ予想値が2月の3.77%から3月は3.67%へと小幅に低下、昨年末までの4%台からは低下傾向となり、長期的にはピークアウト予想が強まっているものの、短期的にはインフレ圧力高止まりを予想する向きが大勢となっているようです。

アトランタ連銀が先週発表した3月の賃金上昇トラッカーでもインフレ圧力高止まりが示唆される内容に。
平均時給中央値での3ヵ月平均は前年比+6.0%となり、2月の5.8%からも一段高、5ヵ月続伸で2ヵ月連続の過去最高更新。
また、転職者の賃金上昇率は+7.1%となり、1998年9月(6.7)を大幅に上回り、23年5ヵ月ぶりに過去最高を更新。非転職者の賃金上勝率は5.3%となり、過去最高となった2月の5.4%からは低下。この結果、転職者と非転職者との賃金上勝率格差は1.8%となり、9月(1.9)以来半年ぶりの高水準。2001年8月(1.8)と並び1999年以降では2番めタイの高水準。

さらに賃金上勝率が上下0.5%未満にとどまる、ゼロ賃金の割合は11.0%まで低下。4ヵ月続落でリーマンショック前の大底となった2007年5月(11.0)以来、14年10ヵ月ぶりの低水準。
過去の歴史を振り返れば、近年最低レベルに達した現状、ゼロ賃金の割合は増加に転じてリセッション入りとなるのも時間の問題という状況となっている可能性もありそうです。

前年比+8%超えが予想される3月CPIでは、これを大きく下回るような結果はまだ想定し難く、そうなるためにはもう少し時間を要することにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2022/3/8 - 4/1111日のNY金相場は+2.6ドル、0.13%の小幅高で3日続伸。週明け時間外は1940ドル台後半を中心に小幅揉み合い推移、1940ドル台前半までの安値をつけて反発するとロンドン市場で1960ドル、NY市場では一時3月14日(1994.8)以来、4週間ぶり高値となる1970ドル台半ばまで上昇。しかし米10年債利回りが3年3ヵ月ぶり高値となる2.78%台へと上昇し、ドルインデックスも100ポイント台再トライへとドル高優勢の流れにも押されて急反落。NY午後には1940ドル台半ばまで下落、上に行って来いとなった後はNY引け後に1950ドル台半ばまで反発。1940ドルの保ち合い上限突破に伴う短期上値目標2000ドル付近に対しては1970ドル台半ばまでにとどまって失速、巻き戻しとなってしまったような格好にも。米3月CPIも高止まりとなれば、一定の買い支えも米長期金利が一段高となるようだと下押し圧力にも。上値再トライの可能性も残しながらも1920ドルを下限とする保ち合い回帰の展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2022/3/8 - 4/11NYプラチナは+2.2ドル、0.23%の小幅高で3日続伸。週明け時間外には970ドル台から990ドル付近まで上昇し、ロンドン市場では一時4月4日(1002.0)以来、1週間ぶり高値となる997ドルまで上昇。しかし1000ドルの大台ライン付近で失速するとNY朝には970ドル台前半まで急反落。3月高値から4月安値の23.6%戻し(1001.7)、20日移動平均線(996.2)、90日移動平均線(1005.9)などが集中する強めの抵抗帯に跳ね返された格好にも。それでもNY引け後には980ドルを回復し、大台再トライのチャンスをうかがう展開にも。

ドル円・日足チャート 2022/3/8 - 4/11ドル円は111銭のドル高円安、0.89%高で7日続伸。7日続伸以上は3月以来で今年2度め。ちなみに2015年6月にも7日続伸を記録。最終日は1日終値で124円70銭台まで上昇、その後小反落を挟んで6月5日高値では近年最高値となった125円80銭台まで上昇。週明け東京市場は朝から堅調推移、124円10銭台の安値をつけて反発すると米10年債利回り上昇にも連れて午前中のうちに125円トライ、東京市場終了とともにこれを突破すると125円40銭台まで急騰。NY市場では一段高となって125円70銭台まで上昇。2015年6月5日(125.85)以来、6年10ヵ月ぶり高値をつけるといったん失速、NY終盤には125円40銭近辺へ。短期上値目標125円80銭台にもほぼ到達した状態となり、終値ベースでも6年10ヵ月ぶり高値となって調整も入りやすい状態にも。米3月CPIが予想を下回れば上昇一服で一定の調整局面形成も、5日移動平均線(124.20)から124円近辺までが目先のサポート候補にも。予想上ブレの場合には金利上昇とともにさらなる一段高の可能性も、3月28日高値(125.10)から31日安値(121.38)までの161.8%戻し(127.48)辺りまでが次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/11終値とチャート

12日の国内金価格は+87円、1.02%高で6日続伸。6日以上の続伸は今年4度め。3営業日連続、今年14回めの過去最高値更新。円安サポートが続き、主要な節目を次々と突破する状態に。ただし米3月CPIが予想下振れの場合には円安調整に連れる展開にも。そうならない場合には一段高も、3月半ば安値(16日:7988)から3月末高値(25日:8397)の値幅(409)を3月末安値(30日:8259)に加算するN計算値=8668円までが短期上値目安にも。調整目安としては3月半ばからここまでの23.6%戻し(8442)辺りまで。

プラチナ価格は+23円、0.54%高で3日続伸。3月25日(4351)以来、半月ぶり高値となり、4220円の節目上抜けに伴う短期上値目標4280円程度にも到達。一段高の展開となれば3月末高値圏4350円近辺も視野に、調整目安として21日移動平均線(4243)までにとどまれば地合い回復へも。
※参考:金プラチナ国内価格4/12とチャート

2022年4月12日(火)時点の相場
国内金8,582 円 4/12(火) ▲87(1.02%)
国内プラチナ4,289 円 4/12(火) ▲23(0.54%)
NY金1,948.2 ドル 4/11(月) ▲2.6(0.13%)
NYプラチナ977.8 ドル 4/11(月) ▲2.2(0.23%)
ドル円125.39 円 4/11(月) ▲1.11(0.89%)

4/11(月)のその他主要マーケット指標

3月CPIは40年ぶり高水準維持も想定内、金利低下でドル円調整 4/13(水)

賃金上昇格差は近年最大、ゼロ賃金は最低水準でインフレ圧力 4/12(火)

想定外の展開に想定外の高値圏トライもチラつく国内金価格 4/11(月)

NY連銀ビジネスリーダー調査でもインフレ圧力高騰 4/9(土)

新規失業保険申請件数、4週移動平均では過去最少 4/8(金)


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