金プラチナ短期相場観
ユーロ圏景況感は半年ぶり高水準、その裏で伸び悩む国々
更新日:2020年9月30日(水)
欧州委員会が発表した9月のユーロ圏景況感指数は91.1。市場予想の89.0を上回り、5ヵ月続伸で3月(94.1)以来、半年ぶりの高水準。コロナ前の2月(103.4)を100%とすると9月は88.1%。
ユーロ圏主要国では、フランスが96.6となって3月(98.6)以来、半年ぶりの高水準へと4ヵ月続伸。ドイツは95.5で5ヵ月続伸、2月(101.8)以来7ヵ月ぶり高水準。イタリアは89.0で4ヵ月続伸で2月(101.3)以来7ヵ月ぶり高水準。なお、前月比では+8.4ポイントで1994年8月(+10.2)以来、26年1ヵ月ぶりの急騰。
スペインは7月に90.6で3月(99.3)以来4ヵ月ぶり高水準となった後は8月88.1、9月89.7と伸び悩み。ユーロ圏ビッグ4のなかでは唯一9月の指数が春以降、ロックダウン解除後の最高水準とならなかった国。
新型コロナウイルスの感染再拡大が進行し、景気回復への警戒感も高まるユーロ圏ビッグ2となっているフランスとスペイン、明暗分かれる結果に。
9月の景況感指数が春以降で最大とならなかったユーロ圏加盟国は、全19ヵ国中スペインを含めて6ヵ国。
ギリシャは9月に89.5となって続落、今回のボトムとなった6月(87.6)以来の低水準、7月に90.8で4月(99.3)以来の高水準となって以降は低迷。
キプロスは8月に83.2で3月(101.4)以来の高水準、9月は81.4へと反落。
ルクセンブルクも7月に98.9となって3月(100.4)以来の高水準、9月は96.9へと続落。
スロバキアは8月に88.2で3月(96.7)以来の高水準、9月は85.9へと低下。
フィンランドも7月に86.1で3月(90.4)以来の高水準、9月は82.3へと続落。
この日、ドイツのメルケル首相の「ベルリンの新型コロナウイルスの状況は深刻」との発言もあり、ユーロ圏の牽引役となるドイツでも景況感指数がこのまま2月の水準まで順調に回復が進むかどうかは、微妙な状況にもなってきたようです。
29日のNY金相場は+20.9ドル、1.11%の続伸。時間外に戻り高値をつけてNY市場にかけて戻り売りで下値切り下げ、という先週までのパターンから、時間外に押し目を形成してNY市場にかけては押し目買いとなって上値切り上げ、というパターンに切り替わってきた様子。下落トレンドの定番パターンから上昇トレンドの定番パターンに切り替わった状態が続けば、本格的に短期トレンド転換となって上値トライ再開へ、という流れにも。この日の押し目は時間外に1880ドル付近までと浅めにとどめ、NY午後には1900ドルの大台を回復し、短期上値目標1900ドル前後にしっかり到達し、NY引け後も大台維持。この日もユーロドルの買い戻しに連動する形でドル安の流れにサポートされ、米9月消費者信頼感指数が17年ぶり大幅上昇となった場面でも反応は限定的。米追加経済対策の行方や大統領選のTV討論会を控えて米株も上昇一服で調整の動きとなったことなども抵抗感を打ち消す状況につながった様子も。目先は上昇一服となりやすく、TV討論会の状況を受けての市場反応の影響も受けながら、週末にかけての米雇用関連指標の動向などにも素直に反応するような展開にも。
NYプラチナは+6.3ドル、0.71%高で3日続伸。前日の急騰からは一服状態、前日高値とこの日の時間外でも90日移動平均線(896.8)に上値を押さえられて890ドル半ばから880ドル付近まで小幅反落。押し目を形成し、880ドル付近での底堅さを確認する形でNY市場では押し目買いへ。NY午後には90日線を超えて900ドルの大台トライもわずかに届かず、890ドル台前半へと小反落。結果的に90日線にも上値を押さえられ、900ドルの大台ラインと合わせて強めの抵抗水準にもなりかねない様子も。そうならないように、早めに突破できればいいものの・・・。
ドル円は14銭のドル高円安、0.13%の小反発。第1回TV討論会を控えて様子見ムードも強まるなか、欧州時間以降のユーロ買いの流れ主導でドル安傾向、しかし円安の流れが若干上回ってドル円は東京朝の安値105円30銭台から欧州時間には105円70銭台まで上昇。ただしNY時間は105円50銭台を安値に20銭程度の小幅レンジで揉み合い状態に。20日移動平均線(105.60)との攻防は続き、年初から上値を切り下げる中期下落トレンドの抵抗線との攻防も継続。105円台後半を抜け出せるかどうかが当面のポイントに。意外と平静を装う形で静かにスタートしたトランプvsバイデンの1回めのTV討論会を眺めながら、ドル円の膠着状態も継続中。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/29終値とチャート
30日の国内金価格は+50円、0.72%の続伸。NY金の1900ドルの大台回復に押し上げられての一段高、短期上値目安7000円の大台ライン付近を突き抜けて9月23日(7042)以来、1週間ぶりの高値。水準的には一服感も漂いながら、イベント的には波乱もありうる期間に突入。下値サポートは6900円、これを割り込むようだと7月末の急騰前水準6820円近辺までが下値目安。上方向には8月の最高値(7676)から9月安値(6902)までの23.6%戻し(7085)辺りまでは手が届きやすく、38.2%戻し(7198)を達成できれば夏場の保ち合い水準到達となり、流れが大きく変わりやすい水準。
月間ベースでは-255円、3.5%安となって3月以来、半年ぶりの反落。月間下落率ではその3月(-224円、3.55%)に次いで2016年以降では2番めの急落、下げ幅では最大。
プラチナ価格は+2円、0.06%の小幅高で4日続伸。ちょうど1週間前、同時に下抜けた90日移動平均線(3281)と200日移動平均線(3291)付近まで急回復しながらも、その手前で足踏み状態。この3280円から3290円近辺までが重要な攻防水準となり、いったんは抵抗水準となりつつある様子も。この水準を超えることができれば、8月高値(3655)から9月安値(3133)までの38.2%戻し(3332)が次の節目。この水準まで戻すことができれば地合い回復へ。
月間ベースでは-161円、4.69%安で3ヵ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格9/30とチャート
- 2020年9月30日(水)時点の相場
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国内金 : 7,037 円 9/30(水) ▲50(0.72%) 国内プラチナ : 3,274 円 9/30(水) ▲2(0.06%) NY金 : 1,903.2 ドル 9/29(火) ▲20.9(1.11%) NYプラチナ : 897.7 ドル 9/29(火) ▲6.3(0.71%) ドル円 : 105.67 円 9/29(火) ▲0.14(0.13%)
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