金プラチナ短期相場観

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米11月PPIは減速傾向継続も予想を上回ってドル高

更新日:2022年12月10日(土)

生産者物価指数PPI 2022年11月米労働省発表のインフレ指標では通常、PPIよりもCPIのほうが先に発表されることが多いものの、今月はPPIが先行発表となったことで注目度も高まった様子。
11月の生産者物価指数、PPIは前年比+7.40%。市場予想の+7.2%程度を上回ったことを受けて米長期金利上昇とドル高の反応。米株とともにNY金は急落で反応。
食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+6.25%となり、市場予想の+5.9%を上回る結果となってドル高をサポート。

ただし、PPIは10月の+8.10%からは0.70%低下して5ヵ月続落、2021年5月(6.99)以来1年半ぶりの低水準。
コアPPIは前月から0.60%低下、8ヵ月続落となって2021年6月(5.84)以来、1年5ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)も前年比+4.87%。前月から0.57%低下し、続落で2021年4月(4.80)以来、1年7ヵ月ぶりの低水準。
いずれも3月に過去最高(PPI=11.66、コアPPI=9.71、コアPPI2=7.12)を記録してピークアウト、その後伸び率は減速傾向が継続。

なお、PPIはピーク水準から8ヵ月かけて4.26%低下した状態。単純計算で1ヵ月当りの低下分は0.53%。
前年比+3%程度まで低下するためには、あと4.26%低下する必要。
4.26%/0.53%=8.04ヵ月。PPIの伸び率が今後も順調に低下した場合、来年夏頃には3%程度まで低下する可能性はありそうです。
その頃までには利上げも停止され、半年程度の様子見を経て2024年には利下げフェーズへ、といったシナリオも成り立ちそうです。

NY金・日足チャート 2022/11/4 - 12/99日のNY金相場は+9.2ドル、0.51%高で4日続伸。12月1日(1815.2)以来、1週間ぶりの高値。足掛け3日めとなる1800ドルの大台ラインとの攻防から、もみ合いながらも水準を切り上げる展開に。わずかに下降する200日移動平均線(1799.8)と大台割れを回避するとアジア時間には1810ドル近辺まで上昇して反落、ロンドン市場では1800ドル付近で反発するとNY朝には1810ドル台半ばへ、米11月PPIの上振れには乱高下の反応。1820ドルから1800ドルまでのレンジで上下動、ドル高に押されての軟調推移と切り返しの展開で売り買い交錯、NY引けにかけてはその中央付近、1810ドル近辺に収束。流れとしては堅調方向維持も、FOMC前に節目を突破するほどの勢いもなく、引き続き1780-1820ドルの保ち合いレンジ継続、その範囲内では上方シフトを試す状態にも。上方ブレイクとなれば1840ドル程度までの上昇余地、下放れなら1750ドル近辺までの下値余地拡大へ。
週間ベースではにわずかに+1.1ドル、0.06%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2022/11/4 - 12/9NYプラチナは+21.6ドル、2.13%高で3日続伸。12月1日(1054.9)以来1週間ぶりの高値水準を回復。前日の小動きからの反動は上方向へ。アジア時間に前日高値を超える1020ドル台半ばまで上昇後には反落、NY午前のPPI発表後の急落では前日安値を下回るも1000ドルの大台を維持して切り返すとNY午後には金の反発にも追随、1030ドル台へと急騰。高値では一時1040ドルまで上昇し、NY引け後も1030ドル台後半を維持。ダブルトップのネックライン手前からの反発局面が続き、ダブルトップ崩れかトリプルトップか、という状況にも。1050ドル台の高値圏をしっかり上抜けることができれば前者の可能性も高まり、短期的には11月高値1070ドル台までが上値目標に。上抜けできない状態が続けば後者の可能性も意識されて990ドルから1050ドル台の保ち合い継続へ。
週間ベースでは+9.6ドル、0.94%高で3週続伸。

ドル円・日足チャート 2022/11/7 - 12/9ドル円は10銭のドル安円高、0.07%の反落で12月2日(134.32)以来、1週間ぶりの安値。東京朝には136円60銭近辺から90銭近辺まで上昇後に反落、米10年債利回り低下とともに135円70銭台まで売られ、欧州時間にかけては136円40銭台まで反発して戻り売り。NY朝にかけては135円60銭近辺まで下落後、11月PPI上振れを受けて急反発。12月ミシガン大消費者信頼感指数の上振れ後には136円90銭台まで上昇。ただしタイミング的にも動き難い状況は続き、137円ラインが目先の抵抗線に。これを上抜けることができれば11月半ばの保ち合い形成水準、139円台半ばまでが上値目標に。
週間ベースでは+2.25円、1.68%高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/9終値とチャート

2022年12月10日(土)時点の相場
国内金8,593 円 12/9(金) ▲30(0.35%)
国内プラチナ4,781 円 12/9(金) ▲18(0.38%)
NY金1,810.7 ドル 12/9(金) ▲9.2(0.51%)
NYプラチナ1,036.2 ドル 12/9(金) ▲21.6(2.13%)
ドル円136.57 円 12/9(金) ▼0.10(0.07%)

12/9(金)のその他主要マーケット指標

過去最高値更新続く国内金価格の90日・200日移動平均 12/12(月)

米11月PPIは減速傾向継続も予想を上回ってドル高 12/10(土)

日本の10月貿易赤字は過去4番め、ドル円との逆相関は過去最大 12/9(金)

中国は貿易黒字縮小、11月は輸出入ともに低調 12/8(木)

米貿易赤字は4ヵ月ぶり水準へと拡大、輸出は5ヵ月ぶり低水準 12/7(水)


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