金プラチナ短期相場観
給付金期待の株高に追随?週明けは貴金属も反発の兆し
更新日:2021年3月8日(月)
週末の米1月貿易収支では、貿易赤字が過去3番目の水準へと拡大。輸入が8ヵ月連続の増加で1年5ヵ月ぶり高水準となったことが影響。ただし、輸出も8ヵ月連続増で11ヵ月ぶり高水準。輸入がコロナ前の水準を大きく上回っているのに対し、輸出は依然としてコロナ前の水準には及ばす。
日曜日に発表された中国の1-2月貿易統計ではドル建て輸出が前年比+60.6%と過去最大の伸び。ロックダウンの前年2月との比較でプラスは当然ながら、2018-2019年の同時期との比較でも+20%程度とのことで米中貿易の歪みも拡大。
米上院は週末に1.9兆ドルの追加経済対策法案を可決。米国の内需拡大と輸入増を今後も促進するとともに、1400ドルの給付金期待から株高の流れも再開の兆しにも。
週末に1700ドルの大台を回復しきれなかったNY金、週明け時間外は大台回復スタートで1710ドル台を試す場面も。NYプラチナも週末に上値を押さえられ続けた1134ドルラインを週明けに突破、1130ドル台後半から1140ドル台へと反発の兆し。ドル円は先週末水準108円30銭台を中心に上下動。
8日の国内金価格は+79円、1.23%高となって3営業日ぶりの反発。年初の1月5日(+184円、2.69%)以来、2ヵ月ぶりで今年2番めの大幅高。なお上昇幅1%超は今年3日めに対し、1%超の下落は7日。直近高値3月3日の6512円を明確に上回ることができればもう一段の反発継続へと向かう可能性は高まり、9日移動平均線(6539)を超えて弱気パーフェクトオーダー脱却、2月安値6570円台辺りまでが短期上値目標に。
週足・一目均衡表では雲の下限を下抜けて三役逆転2週め。地合い回復に向けて当面の攻防ラインとなる雲の下限は次週まで6600円、6月まで6621円。2018年8月安値から2020年8月最高値までの38.2%戻し(6447)が当面のサポート水準となれば、いずれ雲の下限との攻防へも。
プラチナ価格は-+96円、2.28%の大幅高で3日ぶりの反発。2月16日(+191円、4.15%)以来3週間ぶりの大幅高、上昇率では今年10番め。上昇率2%超は今年12日め、下落率2%超は7日。先週末の2日連続3%超の急落が響いてこの日の反発がかなり控えめに映り、RSIも週末の39.0から37.4へと一段と低下。もし明日の価格が横ばい推移となった場合RSIは25.7へとさらに売り過熱感が増すことに。反発基調本格化に向けては9日移動平均線が下抜けつつある21日移動平均線(4453)超えが当面の課題。
週足・一目均衡表では先週末時点で転換線を下回って三役好転崩れ。今朝の反発でも水準を切り上げた転換線(4309)にはわずかに届かず。それでも11月から続く上昇チャネルの下限ラインにサポートされ、昨年3月安値から今年2月高値までの23.6%戻し(4237)が当面のサポート水準となる可能性も。今週の転換線との攻防が上昇チャネル継続への試金石にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/8とチャート
- 2021年3月8日(月)時点の相場
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国内金 : 6,492 円 3/8(月) ▲79(1.23%) 国内プラチナ : 4,303 円 3/8(月) ▲96(2.28%) NY金 : 1,698.5 ドル 3/5(金) ▼2.2(0.13%) NYプラチナ : 1,128.3 ドル 3/5(金) ▼7.0(0.62%) ドル円 : 108.38 円 3/5(金) ▲0.42(0.39%)
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